彼女は、
大学を出て就職をして、
30歳になった時に、
ニューヨークの駐在員に、
社内応募をして採用され、
戻ってからしばらくして、
今度は退職をして、
アメリカの大学院に入り直したという人で、
その後起業して今では
200名を超えるスタッフを抱える、
会社の社長です。
2年ほど前にダンナさんが亡くなり、
18歳で親の家から独立した娘さんは、
大学卒業後大手企業に就職をして、
今は会社を休職して、
ロンドンに留学中ということで、
彼女は保護犬のトイプードルと、
暮らしているということです。
過去の華麗なる経歴と、
現在の隆盛ぶりは、
私とは雲泥の差がありますが、
日常生活については、
同居しているのが、
犬か猫かの違いはあっても、
私と同じような、
ライフスタイルということで、
今思うことについて、
しみじみ話しました。
さて、
彼女が予約してくれたのは、
精進料理屋さんでした。
最初に出て来たのは、
筍がメインの春巻きで、
次がほうれん草の海苔巻き、
続いて蕪のスープ……。
気がつくと、
彼女は私より早く平らげているのです。
私は途端に嬉しくなりました。
私より早く食べる女性と、
会ったことがないからです。
……そういえば
彼女とは長い付き合いですが、
こうして2人で向き合って、
食事をしたことはありませんでした。
「元は食べるのが人一倍遅かったのよ。
仕事をするようになってから早くなったの。
会社員からフリーになって、
その後会社を立ち上げて、
だんだん早くなって行ったの。
のんびり食事なんかしていたら、
取り残されてしまう感覚があったのよね」
と、彼女が言えば、
「私も同じ気持ち。
私の場合は特別な才覚がないから、
眠る時間と食べる時間を、
短くするしかない感じだったのよね。
気がつけば習性になってしまっていたから、
ここ1〜2年は睡眠時間だけは、
長く取るように努力しているの。
次は食べるスピードを、
少し遅めにしたいと思うのだけれど、
一定スピードで味わうことに慣れてしまって、
ゆっくり食べると美味しくない気がするの」と、
私も「早食い」を告白したのでした。
かつて(30代初めの頃)
東大名誉教授の月尾嘉男先生と、
行政などの会議に出席していた頃は、
(月尾先生は座長で、私は一般の委員)
会議の最後に出されたお弁当を、
月尾先生はいつの間にか完食していて、
時には「残間さん、出ますよ」とおっしゃって、
一緒の退席を促されたことが、
2、3回続いた時から、
私も「努力」(練習)をして、
役所などで出される(地味な)幕の内弁当は、
30秒強で食べられるようになりました。
ゆっくり優雅に食べている人がいると、
「素敵だなぁ」と思いますが、
食材を小さく(細かく)切り離して、
箸でいじくり回して、
なかなか口に入れない人を見ると
食べ物が可哀想になります。
熱いものは熱いうちに、
お寿司などは握ってくれたら、
なるべく早く食べるのが、
礼儀だと思うのですが、
猫舌でもないのに、
熱いものが冷めても手をつけなかったり、
握ってくれてお寿司が皿の上に
3、4貫並んでも、
平気な顔をしている人を見ると、
怒りにも似た気持ちになるのは、
「早食い女」の性(さが)でしょうか。
……18時から始まった、
懐石スタイルの精進料理を、
食べ終わったのは19時35分。
これでも料理が出されるペースに、
合わせてのことですが、
運ばれてくると、
ものの数分で食べ終わりました。
それでも彼女は途中2度ほど、
「次が出てくるのが遅いわね」と、
言っていましたから、
私たちの食べるペースに、
調理のペースが追いつくのは、
大変だろうと思います。
次回は、
夏に会うことを約束して別れましたが、
その頃2人の、
食べるスピードはどうなっているか。
元気でいたら、
きっと今のままだと思います。
(今日のけむり)

【「わたしも早食いです」】
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大学を出て就職をして、
30歳になった時に、
ニューヨークの駐在員に、
社内応募をして採用され、
戻ってからしばらくして、
今度は退職をして、
アメリカの大学院に入り直したという人で、
その後起業して今では
200名を超えるスタッフを抱える、
会社の社長です。
2年ほど前にダンナさんが亡くなり、
18歳で親の家から独立した娘さんは、
大学卒業後大手企業に就職をして、
今は会社を休職して、
ロンドンに留学中ということで、
彼女は保護犬のトイプードルと、
暮らしているということです。
過去の華麗なる経歴と、
現在の隆盛ぶりは、
私とは雲泥の差がありますが、
日常生活については、
同居しているのが、
犬か猫かの違いはあっても、
私と同じような、
ライフスタイルということで、
今思うことについて、
しみじみ話しました。
さて、
彼女が予約してくれたのは、
精進料理屋さんでした。
最初に出て来たのは、
筍がメインの春巻きで、
次がほうれん草の海苔巻き、
続いて蕪のスープ……。
気がつくと、
彼女は私より早く平らげているのです。
私は途端に嬉しくなりました。
私より早く食べる女性と、
会ったことがないからです。
……そういえば
彼女とは長い付き合いですが、
こうして2人で向き合って、
食事をしたことはありませんでした。
「元は食べるのが人一倍遅かったのよ。
仕事をするようになってから早くなったの。
会社員からフリーになって、
その後会社を立ち上げて、
だんだん早くなって行ったの。
のんびり食事なんかしていたら、
取り残されてしまう感覚があったのよね」
と、彼女が言えば、
「私も同じ気持ち。
私の場合は特別な才覚がないから、
眠る時間と食べる時間を、
短くするしかない感じだったのよね。
気がつけば習性になってしまっていたから、
ここ1〜2年は睡眠時間だけは、
長く取るように努力しているの。
次は食べるスピードを、
少し遅めにしたいと思うのだけれど、
一定スピードで味わうことに慣れてしまって、
ゆっくり食べると美味しくない気がするの」と、
私も「早食い」を告白したのでした。
かつて(30代初めの頃)
東大名誉教授の月尾嘉男先生と、
行政などの会議に出席していた頃は、
(月尾先生は座長で、私は一般の委員)
会議の最後に出されたお弁当を、
月尾先生はいつの間にか完食していて、
時には「残間さん、出ますよ」とおっしゃって、
一緒の退席を促されたことが、
2、3回続いた時から、
私も「努力」(練習)をして、
役所などで出される(地味な)幕の内弁当は、
30秒強で食べられるようになりました。
ゆっくり優雅に食べている人がいると、
「素敵だなぁ」と思いますが、
食材を小さく(細かく)切り離して、
箸でいじくり回して、
なかなか口に入れない人を見ると
食べ物が可哀想になります。
熱いものは熱いうちに、
お寿司などは握ってくれたら、
なるべく早く食べるのが、
礼儀だと思うのですが、
猫舌でもないのに、
熱いものが冷めても手をつけなかったり、
握ってくれてお寿司が皿の上に
3、4貫並んでも、
平気な顔をしている人を見ると、
怒りにも似た気持ちになるのは、
「早食い女」の性(さが)でしょうか。
……18時から始まった、
懐石スタイルの精進料理を、
食べ終わったのは19時35分。
これでも料理が出されるペースに、
合わせてのことですが、
運ばれてくると、
ものの数分で食べ終わりました。
それでも彼女は途中2度ほど、
「次が出てくるのが遅いわね」と、
言っていましたから、
私たちの食べるペースに、
調理のペースが追いつくのは、
大変だろうと思います。
次回は、
夏に会うことを約束して別れましたが、
その頃2人の、
食べるスピードはどうなっているか。
元気でいたら、
きっと今のままだと思います。
(今日のけむり)

【「わたしも早食いです」】

