彼は映像関係の仕事をしていて、
長きにわたって華やかな世界で、
活躍していましたが、
古稀になった昨年、
3年ほどかけて準備してきた、
移住をやり遂げたのです。
移住先は、
茨城県と千葉県の県境付近で、
今回東京に来たのは、
近くに銀行がないので、
口座がある取引銀行に、
手続きに来たとのこと。
農地(田んぼ)付きの土地を購入したため、
稲作が義務付けられているのですが、
あまり身体が丈夫ではない彼には、
米作りは到底無理なので、
地域の農業支援団体に、
業務委託をしているとのこと。
「昨年は110キロの新米を貰ったんですよ。
今年はもっと多いと思いますから、
今度ウチの米を送りましょうか」と、
嬉しそうに語っていました。
「一番大変なのは草むしりです。
家の周りの空いている土地に、
取っても取っても、
すぐに草が生えてくるんですよ。
都会の人間が考えている、
草とりとは全然違って、
機械を使っても、
大変な重労働なんですよ」と、
言いながらも、
日焼けした顔と逞しい腕は、
以前に比べたら、
ずっと健康的でしたから、
草とりはいい運動になっているだと思います。
「大分落ち着いてきましたから、
近々遊びに来てくださいよ」と、
何度も誘ってくれたので、
「じゃ、5月の末頃にでも……」と、
具体的な話になった時、
彼は急に神妙な顔になり、
「実は同居人がいましてね」と、
話し始めたのです。
「やっぱり!あなたが一人きりで、
田舎暮らしをするとは思えなかったから、
そんなこともあろうかと、
想像はしていたけどね」と、言うと、
「彼女が前提の移住ではなかったんですよ。
僕が『田舎に引っ込むけど、どうする?』って、
聞いたら『私も行くよ』と、言うから、
そうなったので、
まぁ、単なる同居人ですよ」と、
淡々と言い放ったのですが、
これは照れ隠しだと思います。
彼はバツイチですが、
彼女は11歳下の、
独身ワーキングウーマン。
20代からバリバリ働いていたようですが、
移住とともに仕事は辞めたそうです。
彼が田舎暮らしをすると言った時、
「ん?誰かいるな……」と、思ったのは、
過去に(5年前に)
同じようにガールフレンド(恋人?)と、
一緒に長野に移住した友人が、
いたからです。
こちらの彼は今年70歳。
彼女は57歳で企画会社を経営している、
独身ワーキングウーマン。
彼も彼女も週3日は、
東京で仕事をしていて、
それ以外の日を、
長野で暮らしているのです。
……2組とも、
男性たちは「入籍はしない」と、
豪語(?)していますが、
男性は身体が弱ってくると、
途端に気弱になりますから、
いずれ電撃入籍もあり得るのではと、
私は「想定内」のことと捉えています。
5月に訪ねる約束をした彼は、
頭をかきながら、
「うちに来てくれた時に、
突然会わせたのでは、
驚かれるのではないかと思って、
事前に知らせておこうと思ったんです」と、
言うのですが、
どんな女性なのか、
何故彼と暮らすことにしたのかなど、
聞いてみたいし、
料理上手ということですから、
(既に彼は惚気ていました)
彼女の手料理も食べたいし、
私は来訪の楽しみが増えました。
(今日のけむり)

【「最近ウチの中がザワザワしていますが、
りえこさん、何か変わるのですか?」と、
言わんばかりの落ち着かないけむり】
4/30(水)16時~17時30分 Zoomで「オンライン交流会」 残間も参加予定です。(詳しくはホームページで)
シニア人材サービス「Candidフレンズ」(詳しくはこちらから)
クラブ・ウィルビーのホームページもぜひご覧ください。様々な情報を掲載しています。(ここをクリック)
長きにわたって華やかな世界で、
活躍していましたが、
古稀になった昨年、
3年ほどかけて準備してきた、
移住をやり遂げたのです。
移住先は、
茨城県と千葉県の県境付近で、
今回東京に来たのは、
近くに銀行がないので、
口座がある取引銀行に、
手続きに来たとのこと。
農地(田んぼ)付きの土地を購入したため、
稲作が義務付けられているのですが、
あまり身体が丈夫ではない彼には、
米作りは到底無理なので、
地域の農業支援団体に、
業務委託をしているとのこと。
「昨年は110キロの新米を貰ったんですよ。
今年はもっと多いと思いますから、
今度ウチの米を送りましょうか」と、
嬉しそうに語っていました。
「一番大変なのは草むしりです。
家の周りの空いている土地に、
取っても取っても、
すぐに草が生えてくるんですよ。
都会の人間が考えている、
草とりとは全然違って、
機械を使っても、
大変な重労働なんですよ」と、
言いながらも、
日焼けした顔と逞しい腕は、
以前に比べたら、
ずっと健康的でしたから、
草とりはいい運動になっているだと思います。
「大分落ち着いてきましたから、
近々遊びに来てくださいよ」と、
何度も誘ってくれたので、
「じゃ、5月の末頃にでも……」と、
具体的な話になった時、
彼は急に神妙な顔になり、
「実は同居人がいましてね」と、
話し始めたのです。
「やっぱり!あなたが一人きりで、
田舎暮らしをするとは思えなかったから、
そんなこともあろうかと、
想像はしていたけどね」と、言うと、
「彼女が前提の移住ではなかったんですよ。
僕が『田舎に引っ込むけど、どうする?』って、
聞いたら『私も行くよ』と、言うから、
そうなったので、
まぁ、単なる同居人ですよ」と、
淡々と言い放ったのですが、
これは照れ隠しだと思います。
彼はバツイチですが、
彼女は11歳下の、
独身ワーキングウーマン。
20代からバリバリ働いていたようですが、
移住とともに仕事は辞めたそうです。
彼が田舎暮らしをすると言った時、
「ん?誰かいるな……」と、思ったのは、
過去に(5年前に)
同じようにガールフレンド(恋人?)と、
一緒に長野に移住した友人が、
いたからです。
こちらの彼は今年70歳。
彼女は57歳で企画会社を経営している、
独身ワーキングウーマン。
彼も彼女も週3日は、
東京で仕事をしていて、
それ以外の日を、
長野で暮らしているのです。
……2組とも、
男性たちは「入籍はしない」と、
豪語(?)していますが、
男性は身体が弱ってくると、
途端に気弱になりますから、
いずれ電撃入籍もあり得るのではと、
私は「想定内」のことと捉えています。
5月に訪ねる約束をした彼は、
頭をかきながら、
「うちに来てくれた時に、
突然会わせたのでは、
驚かれるのではないかと思って、
事前に知らせておこうと思ったんです」と、
言うのですが、
どんな女性なのか、
何故彼と暮らすことにしたのかなど、
聞いてみたいし、
料理上手ということですから、
(既に彼は惚気ていました)
彼女の手料理も食べたいし、
私は来訪の楽しみが増えました。
(今日のけむり)

【「最近ウチの中がザワザワしていますが、
りえこさん、何か変わるのですか?」と、
言わんばかりの落ち着かないけむり】


