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プロフィール


残間里江子
(ざんま・りえこ)
プロデューサー
1950年、仙台市生まれ。アナウンサー、雑誌記者、編集者を経て、1980年に企画制作会社を設立。雑誌『Free』編集長、出版、映像、文化イベントなどを多数企画・開催。 2005年「愛・地球博」誘致総合プロデューサー、2007年には「ユニバーサル技能五輪国際大会」総合プロデューサーを務め、29万人を超える来場者を記録する。2009年には既存の「シニア」のイメージを払拭した新しい「日本の大人像」の創造を目指し、会員制ネットワーク「クラブ・ウィルビー」を設立。国土交通省「社会資本整備審議会」、財務省「財政制度等審議会」、文部科学省「生涯学習審議会委員」、内閣府「男女共同参画推進連携会議」など行政諸機関の委員を数多く歴任。 近著は『もう一度 花咲かせよう』 『閉じる幸せ』 『人と会うと明日が変わる』


【11/27】退き際の美学。

2024/11/27 13:15

第5957回


この30年余、
どなたかに招かれたり、
どなたかをお誘いしたりしながら、
おつき合いが続いていた、
赤坂の割烹「口悦」が、
今日で幕を下ろしました。

以前は、
お座敷を設えた料亭で、
歴代総理をはじめとして、
政財界の重鎮が訪れていたことから、
テレビのニュース映像を、
賑わせたりもしていました。
今から8年ほど前、
女将さんは「お座敷での正座が、
厳しくなったから」と言って、
料亭を閉じたのですが、
9ヶ月後の2017年12月に、
「やっぱり仕事をしていたいから」と、
料亭時代のスタッフを再度招集して、
割烹として再開したのです。



料理は前菜(珍味など)から、
刺身(お造り),焼き物、煮物,
強肴(揚げ物・酢の物・茶碗蒸しなど)
ご飯や麺類まで、
驚くほど多彩なメニューなのですが、
私はアジフライやポテトサラダなど、
普通の家庭料理を注文して、
修行を積んだ板長さんが作ると、
「こんなにも美味しいのか」と、
いつも感動していました。

9月に女将さんから、
突然手紙が届きました。
「赤坂の地で62年間、
料亭から割烹へと、
業態を変えながらも、
何とか営んできましたが、
88歳を迎える、
本年11月27日をもちまして、
廃業することと致しました。
心身ともに心細く、
潮時とはこのようなことなのだと、
感じております(後略)」と、
書かれてありました。

お店を閉じると聞いた常連客が、
驚きと共に先を争って予約をしたようで、
たちまち予約は取れなくなりましたが、
何とか3回ほど伺うことができました。
艶やかな着物姿の女将さんは美しく、
立ち居振る舞いもシャキッとしていますから、
「まだやめなくてもいいのでは?」と言ったら、
「ヨレヨレにならないうちにやめたいのよ」と、
ご自分に納得させるかのように、
おっしゃっていました。


【女将さんと古市さんと。
先々週、行った時の写真です】

「ヨレヨレにならないうちに身を退く」という、
女将さんの言葉は、
私もしっかり刻印しようと思っています。


(今日のけむり)


【「りえこさんの咳は往生際が悪いようで、
また出て来ています」】



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残間里江子活動情報

月刊「清流」 エッセイ 里江子の本音
2025年1月号「シニア女性は進化している!」

年を重ねていくことの戸惑い、憂い、そして味わいを、綴ります。

毎週水曜日 あさ5時~6時30分
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毎週土曜日 あさ6時25分~6時50分
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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、団塊世代プロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。

毎週土曜日 あさ7時40分~8時
ニッポン放送「おしゃべりラボ~しあわせSocial Design~」

私たちの暮らしをちょっと明るくする仕組みをゲストの方をお迎えしながら楽しくご紹介していきます。

1/4(土) よる11時~12時00分
BS-TBS「Together~だれにも言えないこと~」
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