私が結婚していた頃、
彼は九州から、
東京の大学に入学したばかりで、
よく我が家に来ていました。
元夫は彼を実の弟のように可愛がっていて、
3人で私の拙き手料理が並んだ、
食卓を囲んだものです。
離婚後、
元夫はすぐに再婚し、
私と暮らしていた住まいで、
新婚生活をスタートさせていたところにも、
彼は訪ねたようです。
元夫は私と結婚していた頃につき合っていた、
ガールフレンズ(複数)とは結婚せず、
元夫が選んだ新しい奥さんは、
「おとなしくてやさしい素敵な女性だった」と、
今夜彼の口から初めて聞きました。
仕事中心の私との、
慌ただしい生活とは違って、
穏やかな結婚生活だったようで、
2人は仲のいい、
幸せそうな夫婦だったそうです。
ところがやがて、
奥さんに病魔が襲いかかり、
看病の甲斐なく亡くなったのです。
失意の底に沈んだ彼(元夫)は、
郷里に帰って仕事を始めたそうですが、
両親の介護をして2人を見送ったあと、
自身の体調も優れなかったのか、
誰にも看取られることなく、
真夏の早朝独りで旅立って行きました。
私は結婚にも離婚にも悔いはありませんが、
振り返ってみれば、
私にも至らない点が沢山ありましたから、
コロナ禍が始まる前の年に、
元夫の郷里の山口にお墓参りに行きました。
海が見える高台のお墓は訪れる人もなく、
ひっそりとしていましたが、
私をとても大事にしてくれたご両親にも、
手を合わせて来ました。
「色々あったけどここまでくると、
すべては恩讐の彼方へという感じなのよね。
私もいずれはあちらの世界の人になるのだし……」
「僕もまさかこの年になってザンマさんと、
こんな話をするなんて思ってもみませんでした」
初めて会った日から46年もの歳月が流れて、
今では孫もいる目の前の元(義)従兄弟と、
しみじみと昔話をしている私は、
「幸せ」と言うべきなのでしょう……ね。
(今日のけむり)

【「わたしも幸せです」と、
思ってほしいな、けむちゃん!】
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彼は九州から、
東京の大学に入学したばかりで、
よく我が家に来ていました。
元夫は彼を実の弟のように可愛がっていて、
3人で私の拙き手料理が並んだ、
食卓を囲んだものです。
離婚後、
元夫はすぐに再婚し、
私と暮らしていた住まいで、
新婚生活をスタートさせていたところにも、
彼は訪ねたようです。
元夫は私と結婚していた頃につき合っていた、
ガールフレンズ(複数)とは結婚せず、
元夫が選んだ新しい奥さんは、
「おとなしくてやさしい素敵な女性だった」と、
今夜彼の口から初めて聞きました。
仕事中心の私との、
慌ただしい生活とは違って、
穏やかな結婚生活だったようで、
2人は仲のいい、
幸せそうな夫婦だったそうです。
ところがやがて、
奥さんに病魔が襲いかかり、
看病の甲斐なく亡くなったのです。
失意の底に沈んだ彼(元夫)は、
郷里に帰って仕事を始めたそうですが、
両親の介護をして2人を見送ったあと、
自身の体調も優れなかったのか、
誰にも看取られることなく、
真夏の早朝独りで旅立って行きました。
私は結婚にも離婚にも悔いはありませんが、
振り返ってみれば、
私にも至らない点が沢山ありましたから、
コロナ禍が始まる前の年に、
元夫の郷里の山口にお墓参りに行きました。
海が見える高台のお墓は訪れる人もなく、
ひっそりとしていましたが、
私をとても大事にしてくれたご両親にも、
手を合わせて来ました。
「色々あったけどここまでくると、
すべては恩讐の彼方へという感じなのよね。
私もいずれはあちらの世界の人になるのだし……」
「僕もまさかこの年になってザンマさんと、
こんな話をするなんて思ってもみませんでした」
初めて会った日から46年もの歳月が流れて、
今では孫もいる目の前の元(義)従兄弟と、
しみじみと昔話をしている私は、
「幸せ」と言うべきなのでしょう……ね。
(今日のけむり)

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思ってほしいな、けむちゃん!】
