藤田観光では、
全国の料飲マネージャーを対象に、
昨年7月から9ヶ月間、
社内研修を行って来たのですが、
今日はその総仕上げとして、
研修で培ったサービス(スキル)を、
役員に披露する場として、
「午餐会」が開催されたのです。
「ホテル椿山荘東京」の、
各レストランの、
マネージャーをはじめとして、
新宿ワシントンホテル、
ホテルグレイスリー新宿、
有明ワシントンホテル、
箱根「天悠」大阪「太閤園」
関西エアポートワシントンホテル、
いわきワシントンホテルなどから、
20名が参加して行われた研修は、
和洋中の各料理の基本マナーから、
正餐のセッティング・サービス、
酒類の特性と提供方法、
デクパージュ・フランバージュ、
クレーム対応の実践など、
中堅マネージャーの地位にある、
受講生のみなさんにとっては、
既知の領域の再確認です。
(「デクパージュ」とは、
お客さまの目の前で料理を切り分け、
皿に盛りつけるサービス。
「フランバージュ」は、
お客さまの席にワゴンを持ち込んで、
料理の仕上げをするサービスで、
デザートの時に、
アルコール類をかけて火を点け、
燃やしたりするサービスのことです)
この他、
数値監理と計数管理、
レストランマネージメント、
ノーマライゼーション・労務、
プロトコル・異文化………など、
経営(management)に関する勉強があり、
さらにかなりの時間を割いているのが、
サービス英会話で、
午餐会が終わったところで、
20人が研修会についての総括を、
スピーチしたのですが、
3人は英語で述べてくれました。
「受講生」と言っても、
40代から50代の、
中堅マネージャーですから、
私がレストランで会えば、
ベテランスタッフです。
そういう人たちが、
料理と料理の切れ目に、
背筋をビシッとさせて整列し、
次の瞬間、
キビキビと動くさまは、
ダンスパフォーマンスのように、
美しい光景でした。
料理を頂く側のお客(役員)は、
12人ですから、
サービスをしてくれる人の方が多く、
最初のうちは双方に、
ある種の緊張感がありましたが、
シャンパン、白ワイン、赤ワインと、
出て来るにつれて、
座も打ち解けてきました。
お料理はフルコースで、
前菜もスープも魚料理も肉料理も、
どれも美味しくいただきましたが、
特にデザートの
「スリーズジュビレ バニラアイス添え」と、
「カフェデァブル」(カフェ悪魔)は、
フランバージュの見本のような設えで、
華麗なる技に見入ってしまいました。
………今は昔、
ナカヤマと私は短大時代に、
リゾートホテルのレストランで、
働いたことがあるのです。
今日サービスを受けながら、
19歳の夏を思い出していました。
クーラーどころか扇風機もない、
東京の灼熱アパートから逃げ出して、
一ヶ月前から、
実地研修を兼ねて蓼科のホテルで、
アルバイトをしていた、
東洋大学の「ホテル・観光科」の友人に、
頼み込んで仲間に加えてもらったのです。
このホテルは、
当時は屈指の高級リゾートホテルで、
ホテルの奥の小高い丘の上には、
コンドミニアムが建っていて、
富裕層が購入していました。
(あの頃「富裕層」などという言葉はなく、
「お金持ち」と言っていましたが)
週末ともなるとプールサイドでは、
華やかなパーティーが繰り広げられ、
俳優、歌手、タレントなどが大勢来ていて、
映画のワンシーンのようでした。
ナカヤマと私は、
「いつかどこかで役に立つかも……」
「将来恥をかかないために……」という、
理由から配属先にレストランを希望し、
お料理の内容やサービスの仕方を教えてもらい、
最初は見習いとして、
数日後にはいっぱしの、
サービススタッフのような顔をして、
現場に立ったのです。
全てが物珍しい光景でした。
今まで見たこともない高価な洋服と、
装飾品を身に付けた、
優雅な立ち居振る舞いの、
大人の女性も見ましたし、
明細を舐めるように見ても信用出来ないのか、
紙片を貰って計算をし直し、
財布の中からお札を1枚1枚、
指先につばを付けてとり出した、
関西弁の男性をオドオド見つめていた、
妻と子どもの姿も忘れられません。
おしのびで来ていた芸能人カップルも、
沢山見ましたが、
他言してはいけないことだと思いこみ、
他の人には言いませんでした。
(結婚した人もいますし、
結婚して離婚した人もいます)
そう言えば、
ある大手企業の社長の息子(小学校低学年)が、
「ボク、このステーキ食べない!
レアって言ったのに焼きすぎだなんだもん。
取り換えてよ!」と、言ったのを、
たしなめるどころか、
「すぐに取り換えて頂戴!」と、言った、
居丈高な社長夫人に、
仰天したこともありましたっけ。
(余談ですが、
この会社は後に倒産しました)
ホテルのスタッフの皆さんには、
とても良くしてもらい、
コックさんたちと一緒にいただく、
毎晩の「まかない」の時間は、
一日のうちで最も楽しいひとときでした。
ナカヤマも私もまだ就職先は、
決まってはいませんでしたが、
仕事の厳しさの一端は、
あのホテルで、
教えてもらったような気がします。
サーブの仕方など、
具体的に仕事を教えてくれた女性は、
その後同じ職場の人と結婚し、
善光寺の門前で旅館を経営しているのですが、
今でも連絡を取り合っています。
あれから50年、
今日サービスを見ていたら、
サービスの仕方も、
大分変わっていました。
(昔、飲み物はお客の右側からお出しし、
料理など固形物は左側から、
お出ししていたのが、
今は一様ではないとのことでした)
最近は、
今日のような正式な食事は、
出来るだけ避けていますが、
たまには客のこちらも、
きちんとした姿勢で臨む食事も、
悪くないかもしれません。
私は過日の、
綱町三井倶楽部以降、
正式な食事が続いていて、
「姿勢」はいいのですが、
カロリーオーバーが気になります。
(昨日「残間さん、後ろ姿が、
拘置所から出てきた、
今のゴーン前会長に似てきましたね」と、
言われました)
追伸)
PCの調子が悪く、
変換がメチャクチャで、
書くのに2時間半も、
かかってしまいました。
クラブ・ウィルビーのホームページもぜひ見てください。様々な情報を更新しています。(ここをクリック)
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昨年7月から9ヶ月間、
社内研修を行って来たのですが、
今日はその総仕上げとして、
研修で培ったサービス(スキル)を、
役員に披露する場として、
「午餐会」が開催されたのです。
「ホテル椿山荘東京」の、
各レストランの、
マネージャーをはじめとして、
新宿ワシントンホテル、
ホテルグレイスリー新宿、
有明ワシントンホテル、
箱根「天悠」大阪「太閤園」
関西エアポートワシントンホテル、
いわきワシントンホテルなどから、
20名が参加して行われた研修は、
和洋中の各料理の基本マナーから、
正餐のセッティング・サービス、
酒類の特性と提供方法、
デクパージュ・フランバージュ、
クレーム対応の実践など、
中堅マネージャーの地位にある、
受講生のみなさんにとっては、
既知の領域の再確認です。
(「デクパージュ」とは、
お客さまの目の前で料理を切り分け、
皿に盛りつけるサービス。
「フランバージュ」は、
お客さまの席にワゴンを持ち込んで、
料理の仕上げをするサービスで、
デザートの時に、
アルコール類をかけて火を点け、
燃やしたりするサービスのことです)
この他、
数値監理と計数管理、
レストランマネージメント、
ノーマライゼーション・労務、
プロトコル・異文化………など、
経営(management)に関する勉強があり、
さらにかなりの時間を割いているのが、
サービス英会話で、
午餐会が終わったところで、
20人が研修会についての総括を、
スピーチしたのですが、
3人は英語で述べてくれました。
「受講生」と言っても、
40代から50代の、
中堅マネージャーですから、
私がレストランで会えば、
ベテランスタッフです。
そういう人たちが、
料理と料理の切れ目に、
背筋をビシッとさせて整列し、
次の瞬間、
キビキビと動くさまは、
ダンスパフォーマンスのように、
美しい光景でした。
料理を頂く側のお客(役員)は、
12人ですから、
サービスをしてくれる人の方が多く、
最初のうちは双方に、
ある種の緊張感がありましたが、
シャンパン、白ワイン、赤ワインと、
出て来るにつれて、
座も打ち解けてきました。
お料理はフルコースで、
前菜もスープも魚料理も肉料理も、
どれも美味しくいただきましたが、
特にデザートの
「スリーズジュビレ バニラアイス添え」と、
「カフェデァブル」(カフェ悪魔)は、
フランバージュの見本のような設えで、
華麗なる技に見入ってしまいました。
………今は昔、
ナカヤマと私は短大時代に、
リゾートホテルのレストランで、
働いたことがあるのです。
今日サービスを受けながら、
19歳の夏を思い出していました。
クーラーどころか扇風機もない、
東京の灼熱アパートから逃げ出して、
一ヶ月前から、
実地研修を兼ねて蓼科のホテルで、
アルバイトをしていた、
東洋大学の「ホテル・観光科」の友人に、
頼み込んで仲間に加えてもらったのです。
このホテルは、
当時は屈指の高級リゾートホテルで、
ホテルの奥の小高い丘の上には、
コンドミニアムが建っていて、
富裕層が購入していました。
(あの頃「富裕層」などという言葉はなく、
「お金持ち」と言っていましたが)
週末ともなるとプールサイドでは、
華やかなパーティーが繰り広げられ、
俳優、歌手、タレントなどが大勢来ていて、
映画のワンシーンのようでした。
ナカヤマと私は、
「いつかどこかで役に立つかも……」
「将来恥をかかないために……」という、
理由から配属先にレストランを希望し、
お料理の内容やサービスの仕方を教えてもらい、
最初は見習いとして、
数日後にはいっぱしの、
サービススタッフのような顔をして、
現場に立ったのです。
全てが物珍しい光景でした。
今まで見たこともない高価な洋服と、
装飾品を身に付けた、
優雅な立ち居振る舞いの、
大人の女性も見ましたし、
明細を舐めるように見ても信用出来ないのか、
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財布の中からお札を1枚1枚、
指先につばを付けてとり出した、
関西弁の男性をオドオド見つめていた、
妻と子どもの姿も忘れられません。
おしのびで来ていた芸能人カップルも、
沢山見ましたが、
他言してはいけないことだと思いこみ、
他の人には言いませんでした。
(結婚した人もいますし、
結婚して離婚した人もいます)
そう言えば、
ある大手企業の社長の息子(小学校低学年)が、
「ボク、このステーキ食べない!
レアって言ったのに焼きすぎだなんだもん。
取り換えてよ!」と、言ったのを、
たしなめるどころか、
「すぐに取り換えて頂戴!」と、言った、
居丈高な社長夫人に、
仰天したこともありましたっけ。
(余談ですが、
この会社は後に倒産しました)
ホテルのスタッフの皆さんには、
とても良くしてもらい、
コックさんたちと一緒にいただく、
毎晩の「まかない」の時間は、
一日のうちで最も楽しいひとときでした。
ナカヤマも私もまだ就職先は、
決まってはいませんでしたが、
仕事の厳しさの一端は、
あのホテルで、
教えてもらったような気がします。
サーブの仕方など、
具体的に仕事を教えてくれた女性は、
その後同じ職場の人と結婚し、
善光寺の門前で旅館を経営しているのですが、
今でも連絡を取り合っています。
あれから50年、
今日サービスを見ていたら、
サービスの仕方も、
大分変わっていました。
(昔、飲み物はお客の右側からお出しし、
料理など固形物は左側から、
お出ししていたのが、
今は一様ではないとのことでした)
最近は、
今日のような正式な食事は、
出来るだけ避けていますが、
たまには客のこちらも、
きちんとした姿勢で臨む食事も、
悪くないかもしれません。
私は過日の、
綱町三井倶楽部以降、
正式な食事が続いていて、
「姿勢」はいいのですが、
カロリーオーバーが気になります。
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かかってしまいました。
