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椎名誠さん(作家)

2021.05.19

新著『幕張少年マサイ族』

椎名誠さんは新著『幕張少年マサイ族』を発表。幼少期に移り住んだ千葉幕張での日々を振り返る自伝的エッセイ。東京新聞千葉版で連載中の「過ぎし楽しき千葉の日々」をまとめたものです。


<内容>

シーナ少年が「草原」を飛び回ったあの頃

東京・三軒茶屋から千葉に越してきて「初めて海を見た」5歳ごろから、
多感な中学時代までの心に残る出来事を綴った、
「数多い作品の中でもお気に入り」と話す椎名誠氏の自伝エッセイ。

昭和30年代、「黄金の遊び場」だった幕張の海辺での椎名少年の思い出とともに、
大規模開発で変わっていく幕張への哀惜、
当時の風俗も詳しく描かれている。
海の家に忍び込んだ話、川をへだてた石投げ合戦、草原での決闘……。
昭和の少年たちの心をくすぐる、
ノスタルジィあふれる子ども時代(本人曰く「海ガキ」の頃)のエピソードを、
椎名誠ならではの視点と筆致で読ませる。

椎名作品には欠かせない、
人気イラストレーターの沢野ひとし氏が
カバー画など計22点を描きおろした。
同じ時代を同じ場所で過ごしたからこそわかる「あの頃の風景」を描いている。



あの頃ぼくたちも
浜番みたいにみんな竹の棒を持っていた。
後年、作家の取材仕事でアフリカに行ったとき、
ケニアやタンザニアなどでマサイ族をよく見た。
かれらは背が高く鋭い目をして
みんな長い槍を持っていた。
それは少年の頃に常に恐怖のマトでもあった
海の浜番の記憶にすぐにつながっていった。
あの頃、ぼくたちは恐れていたけれど、
けっこう浜番に憧れていたのだと思う。
だからぼくたちも浜番のまねをして
みんな長い竹竿を持つようになっていたのだ。
  (本文「潮風の朝」より)






幕張少年マサイ族
椎名誠/東京新聞出版/1,540円(税込)






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