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激動の七十年代をくぐり抜けて 3/3



(後篇) そして、これから



残間
GAROは75年12月に解散して、大野さんは音楽ディレクターや裏方の仕事もやりつつ、再びステージで歌うようになりました。こうして話を伺うと、上京からGARO結成までの2年半、1970年前後というのは確かに特別な時代だったのかもしれませんね。

大野
70年安保があったり社会的にも激動期でしたね。考えてみるとあの頃に僕の周辺にいた人で、のちに自分の世界を確立した人がいっぱいいます。
残間さんが知ってる人だと、東京に出て来た頃、最初に友達になって、後に俳優や編集者になる油井昌由樹。それから『POPEYE』や『BRUTUS』で編集や特集記事を担当することになる森永博志でしたが、他にも沢山います。

残間
油井さんは多才な方ですけど、今も夕陽評論家を名乗ってますね。

大野
あの二人は先見の明があるというか、色んな意味で本当に才能がありますね。話を聞いていると、頭のいい奴がいるもんだなと思いましたもの。

それから今はアミューズの会長になっている大里洋吉さん。GAROを結成してすぐの頃、確か渡辺プロでワイルドワンズのマネージャーをやっていると紹介されたことがありますが、その当時から、やたらパワフルな人だなーって印象がありました。

残間
「いい時代だった」と言えるんでしょうかね。

大野
でも今、「あの頃は良かった」とか、昔は良かったっていうのは違うなと思いますね。実際、嫌なことや辛かったことも多かったし。今が良いのが一番ですよ。

今だからこそ、改めて世に問いたい曲がある

残間
さて、コロナ禍も長引いて音楽業界は特に大変だと思いますが、逆に新たなチャレンジをする好機と捉える人もいます。大野さんはいかがですか?

大野
頭にはあるんですが、年齢的なものもあるのか、物事がなかなか前に進まない。時間があっても創作の方に向かっていかないんですが、頭は忙しいんですよ。アイデアのひとつは、今日持ってきたこのアルバム『平凡なこと』。

2000年に出したものなんですけど、特に表題曲の『平凡なこと』をアレンジなどを見直して、もう一度世に出したいと思っています。それから動画を制作してネットで流そうかと。今こそこの曲が時代にふさわしい気がしてるんです。

アルバム「平凡なこと」
2000.10.21発売 OMCA-5002
残間
2000年というと、今にいたる日本の下り坂が加速した頃でしょうか。確かに今に通じるものがありますね。サビの歌詞が「このままでいいのか このままで走るのか この先に何が見えるのか……」。

大野
なごみーず(伊勢正三、太田裕美とのユニット)でも何度か歌おうと思ったんですが、このユニットには合わないというか、ノリが違うだろうと却下されました(笑)。ライブハウスでは、発売直後と3年後ぐらいにアルバムを全曲演奏してるんですけどね。

それから今の若い人たちは僕たちのことなんか知らないでしょうから、全然別の名前で出すのも面白いかなと思ったりしてます。曲のストックは沢山あるんで、全く新しい形でアピールできるかもしれません。

残間
確かに過去を封印して挑むのもいいかもしれませんね。

大野
“ZAMMA”っていう名前はどうですか?

残間
(笑)いやいや、もっと象徴的なものがあるはずです。

とにかく年齢的な問題なんて言ってないで、是非あの頃ではなく“今を一番”にしてください。楽しみにしています。
今日は楽しいお話、ありがとうございました。

大野
これからもよろしくお願いします。










(終わり/2021年6月取材)





(前篇) すべては平凡パンチから始まった

(中篇) 音楽業界との縁はミュージカル!?

(後篇) そして、これから


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