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映画に魅せられて 4/4 

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vol.4 主演映画『洗骨』


残間
監督をやりつつも、役者としても精力的に活動していますね。2月9日に主演映画『洗骨(せんこつ)』が公開されます。沖縄の離島を舞台に、死後4年経ってから遺体の骨を洗うという儀式が描かれていますが、これは本当にある風習なのですか?

奥田
本当にあります。舞台になったのは粟国島(あぐにじま)というところです。東京でも“粟国の塩”って有名ですよね。500人ぐらいが住んでいる小さな島です。オール沖縄ロケで撮りました。

残間
洗骨の前に、まず風葬にするそうですね。

奥田
最初は断崖絶壁で風葬です。それで棺桶を開くとミイラになっていて、それを洗ってきれいにするんです。
妻を失って立ち直れない父親がいて、その父に反発している東京で暮らす息子。そして臨月のお腹を抱えて一人で帰ってきた娘。そういう家族が母の「洗骨」という儀式で再び集い、繰り広げられるお話です。

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題名を見ると「重い」と思うでしょうが、そんなことはないです。滲み透る重さはあるんですけどね。僕が考えたキャッチコピーは、「笑って泣いて、そしてまた笑って泣いて、やがて微笑む」。そういう意味では映画のすべての要素が入っています。

残間
監督・脚本の照屋年之さんは、これが長編では2作目になるそうですが、どんな方でしたか。

奥田
彼はガレッジセールのゴリという芸人さんとして有名ですが、もともとは日大芸術学部を出て、ショートフィルムを10本以上撮っていて、賞も獲っています。 (アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2017」にてジャパン部門賞優秀賞。)
そういうプロセスを踏んだ上で、長編作品を撮ったんです。
ああ、日本に一人、映画監督が増えたな、と思える逸材ですね。

残間
監督が主役に奥田さんを選んだのは、どういう理由だったのでしょう。

奥田
台本を読んで面白かったので、彼に「なんで僕なんですか?」って聞きました。すると「目です」って言うんです。目か、役者を口説くいい文句だなと思いましたね(笑)。それから「目の奥にある哀しみです」と。これもいい口説き文句だなあと、さらに口元が緩んでしまいました。
彼が言うには、最近、奥田さんは目つきの鋭い役が続いていましたが、この作品はまったく違うと。その目が必要だからやって欲しいんだと。

残間
撮影はどんな風に進んだのでしょう。

奥田
1ヶ月くらいの撮影でしたけど、セリフを覚えることはしない。ただただ沖縄の風と同化して、それを吸って、吐いて、役の人物として身を置く。それだけを考えていましたね。

残間
公開を楽しみにしています。今日はありがとうございました。

奥田
こちらこそ。ぜひ、映画を観てください。



(終わり/2019年1月取材)

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vol.1 死ぬまでカメラを回していたい
  ↓
vol.2 振り返れば、全てが宝物

vol.3 娘たちのこと
  ↓
vol.4 主演映画『洗骨』





<2月9日公開=奥田瑛二さん主演映画>

             『洗骨』

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監督/脚本:照屋年之
出演:奥田瑛二 筒井道隆 水崎綾女 他
配給:ファントム・フィルム
2019年2月9日(土)より全国公開
公式ウェブサイト


今も沖縄の一部離島に残る「洗骨」という儀式。風葬された死者は、骨だけになった頃に縁深き者たちの手により骨を洗い清められ、ようやくこの世に別れを告げる。この「洗骨」の儀式を通じて描かれる、家族の再生の物語。



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