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語りつくせぬ百の物語 3/3

shiraishi


Part3 「演劇はコロナに負けない」


エネルギーを使う芝居が好き。だからしっかり体調管理

残間
今年の暮れには79歳ということですが、月並みな言い方ですけどお若いですねえ! さらにその滑舌の良さは小さい頃からですか? それとも今でも「あ・え・い・う・え・お・あ・お」と、演劇の滑舌練習をされているとか。

白石
(笑)それは自分ではやりませんが、夫にはやらせてます。声を出すって身体にいいですよ。

残間
そうみたいですね。それから舞台ですから、身体のトレーニングも欠かせないと思いますが。

白石
「昨日は三時間しか寝てないの」なんて調子では舞台はできません。芝居は確かにエネルギーを使うんですけど、私は特にエネルギーを使う芝居が好きなので(笑)、そこはしっかり管理しています。6年ぐらい前からは、加圧トレーニングを無理のない範囲でやっています。
お客様が来てくれるうちは、身体が動く限り芝居は続けたいですね。

いつまでも、立ち止まってはいられない

残間
コロナという思いもしなかったものが現れて、どの分野でも四苦八苦しているわけですが、特に芸能、その中でも演劇はとりわけ影響を受けていると思います。
最後にこのコロナについて伺わせてください。白石さんはこの状況をどうご覧になっていますか。

白石
コロナ以降、三本ぐらい若い人の芝居を観に行きましたが、みんな何とか工夫してやってますね。客席との間をビニールで仕切ったり、お客さんも前後左右を空けてバラバラに座ってもらったり。でもそんな風に細心の注意を払っても、ことが起きる時には起きてしまう。厄介ですね。

残間
ステイホームだった期間はどう過ごされていたんですか。

白石
身体は十分休めることができました。そこは良かったところ。ずっと舞台に追われる毎日でしたから。私は稽古や公演中は家事はしないんですけど、家でいっぱいご飯を作りました。やってみると楽しかったです。

残間
ご主人ともゆっくり過ごされたんじゃないでしょうか。確か同じ早稲田小劇場のご出身でしたよね。“同志”といった存在でしょうか。
白石
ええ、同士であり、親みたいな存在ですかね(笑)。40代で結婚しましたが、本当に穏やかな性格の人なので救われてます。家に帰ると、わがままな私は迷惑をかけてばかり。

残間
寛ぎの時間を過ごせたことは思わぬ副産物でしたが、しばらく立ち止まったことで気づかされたこともあると思います。疑いもなく接していたものが、これはなくてもいいんじゃないかとか、逆にすごく貴重なものだとわかったり。芝居もそういうものの一つでした。
役者たちがじっくり時間をかけて稽古したものを生で観るというのは、実はとても贅沢な時間だったんですよね。

白石
ええ。2〜3回で本番となることもあるテレビとは、違う積み重ねがあります。

でも、いつまでも立ち止まってはいられません。これからもいろんなことが起こるかもしれませんが、その都度、方針を定めて前に進んでいかないと。

残間
白石さんは今回のアンコール公演に際して、「演劇はコロナに負けない」というメッセージをYouTubeで発信していますが、とても心に響きました。白石さんの下の世代の演劇人、渡辺えりさんや鴻上尚史さんたちも、すごく勇気づけられたと思います。

アンコール公演、期待しています。今日はありがとうございました。

白石
こちらこそ、ありがとうございました。

(終わり/2020年10月取材)








Part1 もう一度やりたくなる舞台はめずらしい

Part2 芝居の世界に魅せられて

Part3 「演劇はコロナに負けない」


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