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これからもワイルドワンズをよろしく! 3/5

鳥塚しげきさん(ミュージシャン)

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vol.3 苦しい時、いつも自分の歌に救われた


残間
『虫虫虫めがねの歌』の3年後、1981年に、なんとワイルドワンズが再結成しました。

鳥塚
あの時は非常に忙しかったですね。歌のお兄さんをやりつつ、ワイルドワンズの活動もやり。
1980年には妊婦さん用のラマーズ法の音楽カセットテープを作って、これもヒットしました。

残間
あのラマーズ法ですか?
それは、歌のお兄さんの延長での仕事だったんでしょうか。

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鳥塚
いや、最初は妻のために作った、個人的なものだったんです。

出産を控えた妻のところに、「ラマーズ法のやり方」というガリ版が来たんです。
ラマーズ法というのは、3秒を目安に吸って吐いてというやつですね。僕はその3秒をカウントする係だったんですが、どうにもかったるい(笑)。
それで、音楽にしてみたらどうだろうと思って、試しに作ってみたんです。
「す・っ・て、は・い・て」でしょう。ワルツの曲ができるんですよ。

そういうものを作ったんだ、ということを知人に話していたら、「本家本元の先生を紹介するから」と言われ、聖母病院の尾島信夫先生という方と知り合いました。
この方は1978年に日本で初めて産婦人科にラマーズ法を取り入れた、いわばラマーズ法の権威なんです。

それで二人でもっと本格的に作ってみようとうことになったんですが、僕はその頃CMソングも歌ったり、作ってもいたので、秒数を指定されて曲をつくるというのには慣れていました。だから、尾島先生の指定したとおりに曲を作ることができたんです。

すると今度は、尾島先生が「ぜひカセットテープの形で一般に販売してくれ」と言うんです。
といっても、販売にはお金がかかるんですよ、先生! という感じですよね(笑)。

とにかくお金がないので、安くするために東奔西走しましたね。
まず、安く借りられるスタジオをツテで見つけて録音しました。
それからパッケージの印刷は、印刷所に全ておまかせすると高くつくので、工程ごとに自分でそれぞれの業者に頼みに行きました。
デザインは自分でやり、版下屋で版下を組んでもらって、紙屋で紙を仕入れて、版下と紙を持って印刷所へ。それからダビング屋にテープのダビングも頼んで。

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残間
版下屋さんまで自分で行ったんですか? それはすごい。

鳥塚
それでモノができたはいいけれど、なんとダビング注文の最低本数が千本だったんです。
当然保管する倉庫もないから、家の玄関に千本のカセットが積まれている状態。
とりあえず、聖母病院の売店に20本置いてもらったはいいけれど、どうしようかなぁと思いましたね。

そんな時、ニッポン放送から仕事の依頼があったんです。レギュラー出演者が夏休みを取るので、代わりに3日間ラジオ番組のパーソナリティをやってくれと。
それで打合せの時に、ついでにラマーズ法のカセットの話もしたら、「面白いから流してみよう」ということになったんです。

するとリスナーから反響があって、「どこで売ってるんですか?」というお便りがたくさん来ました。
ラジオの人に返答をせっつかれるんですが……「俺ん家」としか言えない(笑)。

しょうがないから家の電話で注文をうけて、発送も自分でやることになりました。
昼はワイルドワンズの仕事をしているので、夜帰ってきたら注文を集計して、箱詰めして。

残間
その頃には奥さんはご出産なさっていたんですか?

鳥塚
そう。だから新生児の寝ている横で、夜中までそういうことをやっていたんです。大変でした。
他にも産経新聞の取材を受けて、紙面の半分を割いて記事を書いてもらったりしましたね。

それからこのカセットが縁で、子ども関連のメディアや業界の方と知り合うことができました。『主婦の友』とか『ピジョン』とか。
『主婦の友』の方々とは、『ドレミファ育児教室』という親子の音楽教室みたいなものを開こう、という話が出てきたり。

これは僕の中で大きな出会いでしたね。この体験が『ふれあいコンサート』という、今も続けている、特別支援学校を訪問するコンサートのヒントになっています。

残間
ラマーズ法音楽から始まって、そんないきさつがあったんですね。

それにしても、人生の折々、大変な時に、救世主が現れるんですね。先ほどの「歌のお兄さん」の時といい。

鳥塚
そうですね。というより、人生の曲がり角ひとつひとつに自分の作品があるのかな、と思います。
自分ではこういう歌が作れたな、と思っているところに、「こうすればいいんじゃないか」というサジェスチョンを与えてくれる人が来てくれる。
その展開が面白くて乗っかる。新しい世界が広がる。

それから、ラマーズ法も歌のお兄さんも、音楽をやっていることに変わりはないんです。
それがたまたま、これまでとは違う媒体だったりしただけで。

残間
その軽やかさが、新たな出会いを自然に生んでいる感じがしますね。
(つづく)

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vol.1 全ては加瀬邦彦さんとの出会いから始まった

vol.2 『虫虫虫めがねの歌』の大ヒット、その舞台裏

vol.3 苦しい時、いつも自分の歌に救われた

vol.4 子どもにも大人にも、コンサートで笑ってもらいたい

vol.5 “好きな歌”を歌うからこそ伝わる。




鳥塚しげきさん/ザ・ワイルドワンズ
今後のLIVE情報


〇7月15日(水) 午後2時~午後3時半
三越カルチャーサロン ザ・ワイルドワンズ 鳥塚しげきの思い出を歌おう!
「音楽は元気の素っ!」を合言葉に、楽しいトークを交えながら、鳥塚さんセレクトの60年代、70年代の名曲の数々を鳥塚氏と一緒に歌います。

〇7月27日(月) 第1部 午後6時半~/第2部 午後9時~
ケネディハウス
加瀬邦彦さんがオーナーだった銀座・ケネディハウスで、月に一度ザ・ワイルドワンズが開催しているライブ。

〇8月28日(金) 午後6時半~
幕張ホテルザマンハッタン ディナーショー
千葉県・ホテルザマンハッタンで毎年開催しているザ・ワイルドワンズのディナーショー。
シェフの特製料理とともにお楽しみください。

〇8月31日(月) 午後2時~午後3時半
三越カルチャーサロン
ザ・ワイルドワンズ 鳥塚しげきの思い出を歌おう!


※お申込み・お問い合わせは、それぞれのリンク先をご確認ください。











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