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これからもワイルドワンズをよろしく! 2/5

鳥塚しげきさん(ミュージシャン)

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vol.2 『虫虫虫めがねの歌』の大ヒット、その舞台裏


残間
鳥塚さんの経歴を見ると、ワイルドワンズ解散後はNHKで歌のお兄さんをやっていますよね。
解散前にある程度身の振り方というか、活動場所は決まっていたんですか?

鳥塚
それがまったく。音楽では仕事がなかったですね。
その頃も渡辺プロに籍は置いていたので、仕事を見つけてもらって3年ぐらいブラブラと役者をやったり、ラジオをやったりしていました。
でも今思うと、あまり真面目にはやっていなかったんですよね。やっぱり僕は音楽がやりたくて。

ある時、渡辺晋さん(渡辺プロの創業者)に直訴しました。「実は、オリジナル曲を作ってコンサートがやりたいんだ」と。
そうしたら、「うちではそれはできない。フォローはするから一人でやりなさい」と。

それもそうだと思って28歳ぐらいの頃、事務所を作って独立しました。バンドも組んでね。
でも、ヒット曲は作れませんでしたね。ライブをやってもいまいち。もうやりつくしたな、という感じになっていました。

残間
そんな停滞期に声がかかったのが、「歌のお兄さん」だったんですね。しかも、あのNHKから。『虫虫虫めがねの歌』(1978)が評判になりました。

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鳥塚
そうなんです。あまりにも意外で驚きました。
どうやら、ある方が僕を歌のお兄さんにと、強く推薦してくださったそうなんです。

ワイルドワンズ解散前、フジテレビの『ザ・ヒットパレード』に出ていた時、現場にいたタイムキーパーの女性が後に構成作家になったらしいんですね。挨拶ぐらいはしてましたが、特に親しいわけでもなかったです。
それで彼女がNHKでも仕事をするようになったところ、ディレクターから歌のお兄さんの人選で相談されて、推薦したと。

自分では気がつかないけれども、子どもにウケる潜在的な素養みたいなものがあるのかもしれない、仕事を受けたら新しい展開が生まれるかもしれないなと思って、引き受けることにしました。

残間
鳥塚さんって、「自分はこの路線じゃないと嫌だ」とは仰らないんですよね。
そういえばワイルドワンズの頃も『ひょっこりひょうたん島』をコミカルな振付で歌っていたのが印象的でした。

鳥塚
『ひょっこりひょうたん島』を歌ったのは、当時、渡辺プロで担当マネージャーだった大里洋吉さん(現アミューズ会長)の発案でした。
抵抗がないわけではなかったですが、「やってみれば」と言われたら、そういうのもあるのかな? と思う性格なんですね。
もともと自分の中に強いものがあるわけじゃないということかもしれませんが……。

でも歌のお兄さんについては、安易に引き受けてしまうわけにもいきません。
「自分に何かを課さなければいけないな」と思い、「今月の歌」という形で、毎月、歌を作らせて欲しいと頼みました。

そうしてできたのが『虫虫虫めがねの歌』です。
「エンピツ太いぞ虫メガネ、目玉もでかいな虫メガネ……」という歌詞から始まって、虫眼鏡で色んなものを見てみようという曲です。

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残間
虫眼鏡という着想はどこから出てきたんですか?

鳥塚
大きなきっかけは兄の子供です。

その頃は実家の近くにひとりで住んでたんですが、事務所の仕事が大変で、朝食だけは実家で食べてたんです。
実家には兄夫婦が住んでいて、2人の子どもがいました。『ひらけ!ポンキッキ』の『およげ!たいやきくん』(1975)が大好きで。朝食のときにテレビからあの歌が流れると、兄弟がもう……ニコニコ、デレデレになってしまうんです。
「なんだこれは!」ですよ。すごい威力だと。

それを見て、たいやきに匹敵するものって何だろうと考えたんです。

要するに、昔からあるもので、違う形で甦らせたら面白そうなものですよね。それで虫眼鏡を発想しました。
放送するときの絵コンテまで書きましたよ。

残間
自分で絵コンテもですか?

鳥塚
渡辺プロ時代に映画に出演した経験が役に立ちました。映像技術でどんなことが出来るのかというのもだいたいわかっていましたから。
虫眼鏡のレンズ部分に別で撮った映像を合成してね、いろんな物の拡大映像やSLや風景とかをはめ込むわけです。

放映されるとすぐに反響があったんですが、本当に受けてるのか半信半疑だったんで、小学校に視察に行ってみました。子どもたちが番組を見てる様子を、陰からコッソリ覗いたんです。
すると曲が始まったとたんに、子供たちがワッと騒ぎ出したんですよ。
「遠くの港や鉄橋はみんな逆さまおもしろい」という歌詞があり、虫眼鏡の中に大井川の鉄橋を爆進してくるSLを逆さまに映したんです。
その箇所になると、子どもたちが脚の間から顔を出して、テレビを逆さに見上げたり。

それを見て、「子どもってこんなに素直に反応するんだ。これは一生懸命やらないと」と思いましたね。

残間
そこから鳥塚さんの「音楽人生」第二幕が始まるわけですね。
(つづく)






vol.1 全ては加瀬邦彦さんとの出会いから始まった

vol.2 『虫虫虫めがねの歌』の大ヒット、その舞台裏

vol.3 苦しい時、いつも自分の歌に救われた

vol.4 子どもにも大人にも、コンサートで笑ってもらいたい

vol.5 “好きな歌”を歌うからこそ伝わる。




鳥塚しげきさん/ザ・ワイルドワンズ
今後のLIVE情報


〇7月15日(水) 午後2時~午後3時半
三越カルチャーサロン ザ・ワイルドワンズ 鳥塚しげきの思い出を歌おう!
「音楽は元気の素っ!」を合言葉に、楽しいトークを交えながら、鳥塚さんセレクトの60年代、70年代の名曲の数々を鳥塚氏と一緒に歌います。

〇7月27日(月) 第1部 午後6時半~/第2部 午後9時~
ケネディハウス
加瀬邦彦さんがオーナーだった銀座・ケネディハウスで、月に一度ザ・ワイルドワンズが開催しているライブ。

〇8月28日(金) 午後6時半~
幕張ホテルザマンハッタン ディナーショー
千葉県・ホテルザマンハッタンで毎年開催しているザ・ワイルドワンズのディナーショー。
シェフの特製料理とともにお楽しみください。

〇8月31日(月) 午後2時~午後3時半
三越カルチャーサロン
ザ・ワイルドワンズ 鳥塚しげきの思い出を歌おう!


※お申込み・お問い合わせは、それぞれのリンク先をご確認ください。












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