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60th:「マウンティング」ってなんだろう

2021.02.04

「マウンティング」という言葉をご存じですか?

2014年に「ファーストクラス」(フジテレビ系)というドラマで、
その言葉が使われて以来、
一般的に使われるようになったようなのですが、
最近この言葉が妙に気になるようになってきました。

「マウンティング」とは、
対人関係において、自分が相手より優位な立場であるということを、
態度や言動で示すことを言います。
自分がいかに裕福であるかということや、
仕事などにおいて能力が高いことをひけらかすことなど、
平たくいうと”自慢”です。

これらの行動は「マウンティング」という言葉が
生まれる前から嫌われる行動の一つとして、
あげられてきたと思うのですが、
最近はSNS、特にInstagramを取り巻く世界の中で、
本当に日常的に言われています。

例えば、高級レストランに食事に行っている様子ばかりを
アップしていると、
「いいごはんばかり食べてうらやましいでしょ?」
と見ている人に思わせたいと受け取られ、
「あの子の最近の投稿、マウンティングだよね」と言われたり、
友人とお茶をしている風景の写真を投稿したときに、
ブランドもののバッグをチラッと映り込ませようものなら、
「あのバッグを見せたくて撮った写真だよね。
マウンティングだよね。」と揶揄されます。

前述したように、この言葉が妙に気になるなぁと感じたのが、
前回の記事で触れた「Clubhouse」の流行においてです。

記事内でも書いたように、
Clubhouseは招待制のSNSなので、
招待してくれる人を見つけられない限り、
始めることができません。
さらにその招待枠は2枠しか付与されないため、
だれを招待するか、付与者が厳選することとなります。

TwitterやInstagramなど、
既存のSNS上でClubhouseが話題になりはじめたころ、
多くの人がいち早く登録したくて、
ウズウズしていました。

そんな中、私の友人の一人が、
「『Clubhouseはじめました〜』って投稿最近多いけどさ、
『私こんな早く始められたよ!すごいでしょ!』って
マウンティングにしか見えなくてイライラするんだよね。」と
連絡をしてきました。

確かに、私も早く始められた友人の報告を見ては、
「うらやましいな〜私も早く始めたいな」とは思いましたが、
それをマウンティングだとは感じませんでした。
むしろ、SNSはやはり誰かと繋がることで初めて、
その楽しさを見出せるものなので、
既存のSNSで報告をすることで、
友人同士が繋がりやすくなるため、
報告するのは良いことだと思っていましたし、
私も始められた暁にはInstagram上で、
友達を探そうとも思っていました。

私が推測するに、そのイライラしてしまった友人も
早くClubhouseを始めたくてしかたなかったのでしょう。
「羨ましい」という気持ちと、
自分より早く始めている人がいる、ということが、
彼女の負けず嫌い心に火をつけたのだと思います。

本当に日常的に「マウンティング」という言葉を見聞きするので、
あまり意識していなかったのですが、
改めてその言葉について考えてみると、
確かに世の中には人より優位に立ちたくて、
「ドヤっ!」と自慢をする人もいるのかもしれませんが、
どちらかというと、
「うわぁ、それってマウンティングじゃん」と捉える人自身の、
負けず嫌い心が作り上げた虚像だと感じます。

「マウントとられた」とは言いますが、
「マウントとったんだよね」とは言わないですもん。

そしてその言葉が人々に当たり前に浸透したことによって、
ちょっと不快に感じたことがあれば、
「あ、これがマウントか」と
当てはめることができるようになりました。

そうなってくると、
なんでもかんでもマウンティングになってしまうのです。
友達との写真をたくさんあげれば、
「友達多いでしょマウント」。
手料理の写真をたくさんあげれば、
「家庭的な女でしょマウント」。
恋人とデートをしている様子をあげれば、
「素敵な恋人がいるんですよマウント」。

あげればキリがありません。

あらゆる「ハラスメント」が次々に
言葉として浮上してくることに似ています。

以前も本コラムで触れたように思いますが、
落合陽一さんがwillbeアカデミーに登場してくださった際に、
「言葉を通してしか世界を見ることができない」と、
おっしゃいました。

つまり、新しい言葉が生まれれば、
その言葉を通して、改めて、世の中で起きていることが、
分類されていくことになります。
それは一見便利なようにも見えますが、
今取り上げている「マウンティング」だったり、
「ハラスメント」だったり、
あまりポジティブでない言葉の場合は、
社会の空気感をギスギスとさせてしまうように思います。

もちろん悪い側面ばかりではないですが、
あまりその言葉に引っ張られて、
誰かの言動を悪意のもとにあると決めつけない方が、
生きやすいのになぁと、
個人的には感じています。

もしかしたら、
私がコラムでこういう風に書くことは
「マウント取られていることなんて気づかなかったぁ〜。
私って心に余裕あるでしょ?マウント」だと、
言われてしまうかもしれません・・・。

なんだか生きづらい世の中ですね!笑


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