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53rd:「シルバーテツヤ」をご存じですか?

2020.09.02

みなさん、「シルバーテツヤ」を
ご存じですか。
「銀色」の意味のシルバーではなく、
「老人」の意味のシルバーで、
わかりやすく言うと、
テツヤおじいさんです。

このおじいさん、
ちょうど一年ほど前に、
SNS上で爆発的に話題になり、
その後テレビ等のマスメディアでも
取り上げられるようになり、
本まで出版されています。

さて、このおじいさんが話題になった理由は、
写真をご覧になれば一目瞭然だと思います。



そう。
超前衛的な服装を身にまとっているのです。
これは、今年3月に出版された書籍の表紙ですが、
記載されているコピーにある通り、
「孫の服を着てみたら思ってたよりイケてた」
のです。

お孫さんは20代のクリエーター、
クドウナオヤさん。
メディアでも取り上げられているので、
Googleなどで調べていただくと、
画像が出てきますが、
紫、緑、金、青、ピンクといつも派手な
髪色をした青年です。

青森県出身のクドウさんは、
2019年のGWに帰省した際、
せっかく時間もたくさんあるし、
なにかやってみようと、
整理を兼ねて持ち帰った洋服を、
おじい様のテツヤさんに
着てもらい、撮影をすることにしたそうです。

クドウさんの洋服は
派手なものが多く、同世代の男性でも
着こなすのが難しい、
似合う人が限られるアイテムが
多いようなのですが、
なんと、それが85歳のおじい様に、
思いのほか似合い、カッコよくなってしまったのです。

おじい様は元教師で、
今は農業などをしながら青森で暮らしている、
いわゆる「田舎のご老人」。
そのテツヤさんに派手なファッションアイテムが
似合うだなんて、誰が想像したでしょう。
Instagramには100枚を超える写真が
投稿されていますが、
どれもなんとも言えない雰囲気を醸し出し、
「カッコいい」のです。

その人気は日本国内にとどまらず、
海外からも注目されており、
85歳の「シルバーテツヤ」の
Instagramアカウントは、
15万人近いフォロワーがいます。

説明を読まずとも、
「カッコいい!」と思わせる写真と
元教師なだけあって、
厳格な雰囲気のあるご老人が
最先端のファッションアイテムを
身にまとっている違和感が、
多くの人からの「いいね!」を
集めました。

そして、説明を読むと、
孫がおじいさんと作り出した作品だとわかり、
胸にこみあげてくるような、
暖かさも感じられます。
これが、まったくの赤の他人が、
「シニアを今時のおしゃれにしてみたらおもしろいのでは?!」と
始めたプロジェクトだったとしたら、
ここまで「シルバーテツヤ」は
人気が出なかったと思います。

と、いうのも、やはり他人だと、
「遠慮」が見え隠れしてしまうと思うのです。
「シルバーテツヤ」は孫と祖父の関係で
作り上げられたものなので、
写真を撮る際に、
遠慮なく振り切ったリクエストができたはずです。

もしかしたら、テツヤさん自体は、
なにがなんだかわかっておらず、
かわいい孫が言うのならと、
着せ替えられ、ポーズを取らされたのかもしれませんが、
それも「家族」だから、
ネガティブな感情が含まれず、
作品にもそれが透けて見えません。

私がこのコラムを書いている理由の一つとして、
「今の時代」や「今の流行り」を
自分たち世代だけのものと考えず、
今を生きる全ての世代で、
「一緒に楽しみたい」という願いがあります。

クドウさんのインタビューを見ていると、
「敬うな、一緒に遊べ」という、
言葉があったのですが、
それにとても感銘を受けました。

「シルバーテツヤ」は1年前にも、
表参道で個展を開催したのですが、
今度は京都で9月5日から、
10月4日まで、個展が開催されるそう。

関西圏に在住の方は、
ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

★詳細はこちら。

個展に足を運べない方も、
前述で紹介した書籍で、
あらゆるファッションを身にまとった
「シルテツ」を見ることができますよ。

★書籍の詳細はこちら。


写真から感じられる「オモシロさ」や
純粋な「カッコよさ」だけではなく、
心が温まる家族の絆も感じられるはずです。

余談ですが、「シルバーテツヤ」の写真が
初めてSNSに登場してからというもの、
その拡散の勢いはすさまじく、
正しく「バズった」コンテンツでした。
私の周りでも「シルテツ知ってる?」と、
あちらこちらで聞こえてきていたのですが、
インターネットを使わない「テツヤさん」本人は
そんなことになっているなんて、
知る由もなかったそうです。笑

しばらくして、世間からの注目が大きくなり、
地方紙やテレビの取材が入り、
そして、東京・表参道の個展に
多くの人々が来場している様子を見て、
事の大きさを実感したそうです。
「ワシがこんなことになっているなんて…」と
驚いているテツヤさんを想像すると、
なんだかかわいくて、
何故だか泣きそうな気持ちになるのは、
私だけでしょうか。

「シルバーテツヤ」の物語は、
いつか映画化されるんじゃないかな~
なんて、思っています。
wakudamailto