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48th:真っ黒のスマホ画面

2020.06.03

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この画像は、
いつもは華やかな写真が
絶え間なく投稿されている、
「Instagram」の検索画面です。

数日前から日本でも、
広く報道されている通り、
米ミネソタ州で黒人男性が
白人警官に拘束された際に
首を圧迫され死亡した事件をきっかけに、
「人種差別」に抗議するデモが
全米に広がっています。

そして、各地でデモが勃発しているのと同時に、
SNSでも
「人種差別反対」の意思を表明する
投稿が急増しています。

昨日、上記の画面を見ていたら、
Zammaには
「ワクちゃん、スマホ壊れたの?」と
尋ねられたのですが、
現在、Instagramには、
「#blackoutTuesday(ブラックアウト・チュースデイ)」と
ハッシュタグをつけた、
黒塗りの画像が次々に投稿されています。

昨日(6月2日)の夕方に見ていた際は、
150万件ほどの投稿があり、
それでも「すごいムーブメントになっている」と、
驚いていたのですが、
1日経って、時差で火曜日を迎えた国の人々も
続々と参加し、
2851万件にも及んでいます。
(6/3 19時現在)

このムーブメントは、
「ブラックコミュニティの
才能と努力による恩恵を、
長年に渡り受けており、
彼らを擁護しサポートし続ける義務がある」と、
アメリカの音楽企業が、
その意思を表明するために、
6月2日の火曜日に全業務を
停止したことから、
スタートした抗議運動です。

日本でも、例えばタレントのローラさんや、
水原希子さんなども、
「黒塗り画像」を投稿しており、
私もこの抗議運動の存在を知りました。
そして、海外で働いていたりする友人を皮切りに、
友人の間でも運動が広がっています。

黒人に対する人種差別については、
長年に渡りアメリカが
抱える問題として認識はしていましたが、
今もなお、命を奪われるほどのことが起きるとは、
思ってもなく、
私にとっても衝撃的な事件でした。

「I can't breathe!(息ができない!)」と
殺害されたジョージ・フロイドさんが叫び、
苦しむ動画には胸が締め付けられ、
言葉にならない悲しみで
頭が真っ白になりました。

ですが、今回のデモ騒動をきっかけに、
差別が終息することはないでしょう。
人々の心の中に根付く、
「差別の心」が消えることは
長い長い時間がかかることだと思うからです。

かつて、見ていたアメリカのドラマで、
白人の双子と養子の黒人を育てる女性が、
養子に対して、双子と違う接し方をする
母親に激怒するシーンがありました。

その時、反省した母親は、
「自分でもどうしてそんな態度になるかわからない。
あなたとは違う時代で育ってきたのよ。
だけど、平等に接するよう努力するわ。」と、
話すのですが、
それに対し、主人公の女性は呆れた顔で、
「お母さん、努力することじゃないのよ」と
答えました。

私は今回の事件やデモ活動を見て、
そのシーンを思い出し、
差別をなくそうと人々が努力が必要なうちは、
皆が望む世界が訪れるのは、
難しいのだろうと感じました。

しかし、これらの活動はもちろん無駄ではなく、
理想の世界への布石として、
大きな大きな意味があります。

そして、これまでの歴史とは違い、
デモには参加できないような、
別の国で暮らす我々も、
SNSを通じて、
「そのような考えを断じて許さない」と
発信できることは、
新たな希望の光となっているとも感じます。

過去にも黒人男性が
白人警官に殺害された事件が
記憶にありますが、
その時には自分の手元に、
抗議運動が巡り巡ってくることはありませんでした。

今回スマートフォン、SNSを通じて、
自分の手元に抗議運動が届き、
「外国で起こっている他人事」ではなく、
「同じ世界で起こっている自分事」だと
考えるようになりました。

そう感じたのは、私だけではなく、
「#blackoutTuesday(ブラックアウトチューズデイ)」運動に、
賛同し、発信している、
2851万人の人々、そして周囲の人々全てでしょう。

「ただの黒塗りの画像」を通じて、
新たな問題意識が心に芽生え、
世界からこの悲しみがなくなることを、
願うようになったことに、
かすかな希望を感じています。


♥♥♥♥♥
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