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46th:言葉の使い方

2020.05.25

「言葉はナイフにもなる。
あなたの言葉が
だれかの心に刺さっていませんか?
言葉のナイフは、
人の心を閉ざしてしまう。

だから、
やさしさいっぱいの言葉
咲かそう!」

小学生の時、夏休みの宿題で私が
人権ポスターに書いた標語です。
やや記憶が曖昧なので、微妙に違った気もしますが…。

以前、このコラムでも触れた、
世界中で配信されている人気番組
「テラスハウス」に出演している女性が、
22歳という若さで亡くなったという
なんとも悲しいニュースが報道されました。

死因は明言されていないものの、
SNS上での心ないコメントに心を痛め、
自ら命を絶ったのではないかと言われています。

私も毎週の「テラスハウス」の配信を楽しみにしている
番組ファンの一人なので、
想像もしていなかったニュースに
ショックを受けました。

「テラスハウス」は
20〜30歳くらいの男女6人が、
一つ屋根の下で暮らす様子を
映し出すリアリティーショーです。
赤の他人6人が生活を共にすれば、
様々なドラマが生まれます。

憧れるような恋愛模様だったり、
価値観の違いから生まれる争いだったり、
仲間の喜びや悲しみを分かち合ったり。

今回、命を絶った女性は
同居人の男性の行動に立腹し、
激しい言葉で彼を罵倒する様子が放送されました。
1ヶ月ほど前のことだったでしょうか。

その放送後、彼女のSNSには
「言い過ぎだ」「あんな言い方をする必要はない」
という理由から、酷い言葉が投げかけられるようになりました。

「テラスハウス」は世界190カ国で放送されるほどの
人気番組で、大きな影響力があります。
出演した人たちはそれをきっかけに
知名度が格段に上がり、
一気に注目されるようになるのです。

出演にあたり、
色々な人から見られるようになること、
その中には悪意を持つ人が出てくることは、
覚悟の元でしょう。

それでも実際にその渦中に我が身が置かれた時初めて、
その辛さを実感し、
想像以上に心が傷つくのだと思います。

昔から有名人は誹謗中傷の対象となりやすいものですし、
それは「有名税」などと言われたりします。
インターネットの発達により、
有名人と視聴者が直接的な繋がりを持つことができるようになり、
言葉の暴力を浴びせられる場も
残念ながら増えてしまっています。

しかし、だからといって
「やっぱりSNSは怖い」だとか
「インターネットのせいだ」ということではありません。
それらのツールを
誤った使い方をする人たちが怖いのです。

パソコンやスマートフォンといった、
画面を通すことにより、
その言葉が同じ心を持った人間に届くということを
忘れてしまうのでしょう。
「想像力」の欠如が産む、悲劇だと感じます。

今回の報道は私が想像していた以上に
波紋を広げています。
TwitterやInstagramでは、数々の有名人たちが
「インターネット上の誹謗中傷に黙って耐える必要はない」と
続々と発言しています。

匿名の悪質な書き込みに対し、
「開示請求」と言って、どこの誰が書き込んでいるのか、
明らかにすることができるのですが、
我慢せずに、そういう措置を積極的にとり、
然るべき罰を与えるべきだし、
法律で取り締まるべきだという意見が広まっています。

法での整備を始め、そう言った悪質な行為を
根絶することは容易ではないと思いますが、
「顔が見えないからいいや」という安易な行動を
防ぐ施策が各所で実行されてほしいと心から願います。

批判と否定は違うこと、
悪口や誹謗中傷はもっと違うということ。
似て非なるものを判断できるようになる教育は
もっともっと取り入れられなければならないと、
今回の出来事をきっかけに強く考えさせられました。

言葉という素晴らしい道具が、
人を傷つけるためではなく、
心に花を咲かせるために使われることを
再び願います。
wakudamailto