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ジョフロワ江美のパリ便り vol.8

2024.12.19

2024 Noel・クリスマス



【Avenue des Champs-Élysées
(シャンゼリゼ通り)】



パリが最も華麗に美しく輝く12月・Noel。
街中では、様々なイベント、チャリティーが催され、
プレゼント用のショッピングバッグを
両手に抱えた人々で賑わいます。

コロナ禍以来、
そして近年の世界情勢
(政治不安、物価上昇、エネルギー価格の高騰)を反映してか、
マルシェや個人商店のデコレーションは
以前に比べるとかなり控え目です。

一方、デパート、高級ブランドショップ、
パリの象徴的な観光名所は、
例年通りの煌びやかな工夫を
凝らした飾り付けに彩られ、
クリスマス気分を盛り上げています。



【Avenue Montaigne
(モンテーニュ通り)】



【Faubourg Saint-Honoré
(フォーブル・サントノーレ)】



【オペラ通りの人気マスコット。
クリスマスのシェフ・テディベア】



フランスには、
日本のような頻繁な贈り物
(内祝い、お中元、お歳暮、、、)の
習慣はありません。
一年に一度の大切な日、
子どもから大人まで
全員参加のプレゼント交換に向けて、
家族、親戚や友人達へのクリスマスプレゼントには、
特別な熱意と出費が伴います。
女性向けには香水、ジュエリー、ファッション小物、、、
男性用のアイテムは
ネクタイ、マフラー、デジタルグッズ、スマホ関連品です。
子ども達には、
事前にサンタさん宛に書いた手紙の中から、
内緒で希望のオモチャを用意します。



【チョコレートの需要。
日本はバレンンタインデーが1番ですが、
フランスはクリスマスシーズンです】



【スーパーマーケットにも
クリスマスディナーの定番・フォアグラが
並びます】



近年は、
贈り物の購入方法も変わってきました。
オンラインショッピングです。
人混みの中に出向くのが難しい高齢者、
実店舗が近くに存在しない地方の不便な場所に
居住している人々には、
とても便利なシステムです。

12月に入ると、
週末のマルシェやスーパーマーケットでは
各種チャリティーが行われます。

フランスはヨーロッパの中で
一番最初(1980年代)に、
Banque Alimentaire・フードバンクが登場しました。
スーパーマーケットではボランティアが、
買い物客の寄付する購入済み商品を受け取り、
慈善団体に運びます。

マルシェの通りでは、
消防士がカレンダーを販売します。
住民達は1年間の感謝を込めて
寄付という形で任意の(自由な)金額で購入。
収益金は負傷した消防士、
殉職者遺族のための支援金に使われます。
今春、フランスに住み始めた日本人友達は、
街角で出会うカレンダー販売の消防士達が
若くて笑顔が素敵なので、
見かけると毎回購入してしまい、
2025年の消防士カレンダーが
3部(同じ内容)もあるそうです。



【Brigade des sapeurs-pompiers de Paris
(パリ消防旅団)
尊敬と感謝の気持ちを込めて、
消防士カレンダーを購入します】



パリは冬至に向かい
空の暗さが増す時期ですが、
赤色、緑色、白色、ゴールドの
様々なモチーフが
明るく街を照らします。
澄んだ輝きのクリスマスモードが
感じられる12月は、
寒さで縮こまった気持ちが緩み、
優しく温かい時間を過ごします。



【野生児ソラ
「クリスマスシーズンも
森散歩が1番楽しい」】



【パリ郊外、農園の催し会場。
犬用のダンボールを敷き
カートに乗ったソラ】



【クリスマスのポートレート。
緊張(困惑?)した表情のソラです】











ジョフロワ 江美
1963年広島県生まれ。
神戸松蔭女子学院大学卒業。
1995年からパリ在住。
日本在住時は雑誌『CLASSY』編集部勤務。
渡仏後は雑誌『25ans』の
パリ現地コーディネーター、
ライターを担当。
在仏日本人会「絵本の読み聞かせ」、
生活困窮者を支援するフードバンクなどの
各種ボランティア活動に従事中。



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