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ジョフロワ江美のパリ便り vol.13

2025.06.25

パリの犬散歩、犬友達

エッフェル塔を背景にしたソラ

青く晴れ渡った夏空が続く6月のパリ。
いつもの犬散歩が、
楽しさいっぱいの毎日になっています。

野生児ソラは連日、公園友達との運動会に夢中、
トレーナーさんとの森散歩からは、
泥んこになって帰宅します。
Passionné de chiens(犬の愛好家)の私は、
犬のママ(パパ)友との公園ピクニックを満喫しています。



【トレーナーさんとの森散歩。
ソラと仲良しのハスキー(女の子)】



【森散歩の仲間達】


会話好きなフランス人との話題は、
愛犬のことが中心ですが、
社会情勢、文化、芸術、そしてプライベートな相談まで、
多種多様です。

先週の土曜日は、公園犬仲間の集会でした。
数年間に渡る区役所への請願書が承認され、
今春、早朝7時から9時は、
パーク内がリード無しのドッグランになりました。
今回のミーティングは、更なる提案に関しての報告。
早朝ドッグラン許可の時間を延長すること、
夕方の時間も可能にすることへの要望書が、
全員一致で決まりました。



【公園犬仲間の集会】


公園集会の後は、
長年の犬友Charlotte (シャルロット)の、
出産祝いに行きました。
赤ちゃんの側に寄り添う2匹の犬達が微笑ましく、
心温まるお茶の時間でした。

昨年は、犬友達の2名が新書を出版しました。
Emmanuel(エマニュエル)は、
盲導犬ラブラドールとの公園散歩が日課です。
盲目になったのは約10年前。
50代の元ビジュアルアーティスト。
若い頃にはインド、中国、オーストリア、、、に長期滞在の経験を持つ、
グローバルな考え方、知識豊富な男性です。
著書はデジタル・オーディオシステムを使用して完成しました。

Viviane(ヴィヴィアン)は元女優。
現在は小説家。
1979年に執筆した小説「Le Guépiot」は映画化され、
当時、話題になった作品です。
老犬に優しく寄り添う人柄の中に、
自分軸をしっかりと持つ凛とした女性です。



【(左)「VALENTIN」エマニュエル著
物語の主人公は、
彼自身の特別な方法で世の中を見つめている。
様々な感覚を研ぎ澄ましながら、
他者との関係性の中に、明白な喜びを楽しんでいる。
歩き、動き、、、充実した人生を輝かせるというもの。
(右)「LE GUÊPIOT」ヴィヴィアン著
厳格な環境の中で、
様々な困難を抱えながら育つ少女と、
娘とは離れた日常を送りながらも、
騎士のごとく愛情を注ぎ続ける父親の物語】



パリの街中は、
リード無しで散歩している犬を頻繁に見かけます。
小型犬からゴールデンレトリバーのような大型犬まで、
小径や大通りを飼い主の横で行儀良く歩いています。
我が家のソラは、
野生スイッチが入ったら、
虫や鳥を追いかけて飛び出す可能性があるので、
パリ市内はリードを付けての外出が必須です。
田舎や森に行く時は、
リード無しのストレスフリーなので、
満面の笑顔になります。
ソラのルーツ、
日本の里山で遊ぶ柴犬を想像しながら、
私自身も和みの気持ちに包まれます。








ジョフロワ 江美
1963年広島県生まれ。
神戸松蔭女子学院大学卒業。
1995年からパリ在住。
日本在住時は雑誌『CLASSY』編集部勤務。
渡仏後は雑誌『25ans』の
パリ現地コーディネーター、
ライターを担当。
在仏日本人会「絵本の読み聞かせ」、
生活困窮者を支援するフードバンクなどの
各種ボランティア活動に従事中。







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