▲撮影:佐野篤 ▼デザイン:柳澤篤












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残間 ところでジョージさんがかかった癌って、
本当になくなったんですか?



渡部 そうなんですよね(笑)。
4年前、おしっこが一日に50回も
100回も出るようになって、
日赤病院に行ったんですよ。
それで検査して何の病気かなと思ったら、
「120%膀こう癌です」って。
さらに腎臓や肝臓とか体中の組織を調べたら、
9つの部位から癌が発見されましたって
言われたんですよ。







残間


そうだったんですか。



渡部 膀こう癌というのは
絶対に治らない癌って言われてるんですが、
まあ膀こうを焼いたりする治療や、
自分でも丸山ワクチン打ってみたり、
温泉行ったり、いろいろとやったわけです。
入院中に抜け出してパーティにも行きましたけど、
みんなと会うのもこれで最後かと思ったら、
寂しかったですね。

ところが3ヶ月後、
もう一回身体の組織を調べたら、
医者が動揺してるわけです。
どうしたのかと思ったら、
「身体のすべての癌が消えてしまいました」と
医者が言うんですよ。
3ヶ月前はもう泡を吹きそうなくらい
ショックを受けてたのに、
いったいなんなんだという感じでした。



残間 名医と言われる人から聞いたことがありますが、
稀ではあるのですが、癌はある日、
突然消えてしまうことがあるそうですね。
細胞のことはわからないことが多いみたいで。
だから癌の患者さんには、最後まで諦めるな、
としか言いようがないそうです。



渡部 癌にかかっている方、多いですよね。
特に乳がん。
この間のイベントでも出演者に数人いました。
治療のせいで髪が抜けてるのでカツラをかぶってね。
でも自分を表現するということは、
きっと治療の上でもいい方向に行くと思いますけど。



残間 ジョージさん、今はすっかり元気ですよね。
この間も若い女の子をクルクル回して。(笑)
元気を通り越して年齢より相当若いですよ。






渡部

いや本当に元気なんです。
「Wii fit」のバランス年齢は22歳でした! 
でも、同窓会に行くとびっくりします。
みんな老け込んじゃってて、
同級生というより担任の先生みたいなんですよ。



残間 私はあちこちで
「50代、60代はまだまだ元気よ」って言ってますが、
ガクッと老けていく人も多いですよね。
男の人だと62、63歳ぐらいからかしら。
あれは何なんでしょう? 若いと思ってないもん。



渡部 サルサやってる人は若いですよ。
やっぱり、楽しく踊るって身体にいいんです。
それにサルサは色気みたいなことが大事だしね。



残間 色気は大切ですよね。
そういえば、このあいだのコングレスでも
50代くらいの女性たちが見事に踊ってました。
それから私たちの目の前に座っていた人たち、
NYから来た人たちでしたっけ? 
ちょっと太めの方がいましたが、
踊り出すとびっくりするくらい機敏でカッコよかった。



渡部 サルサは、貧富、容姿、年齢、
すべて関係ないんです。

今、ウィルビー世代というか、今、中高年の間で
ダンスは確実に盛り上がってますよね。
社交ダンスやタンゴ、ハワイアン、フラメンコ………。







残間


でもサルサには、
「色気」という特徴がありますよね。
不特定の相手とペアで踊るわけですが、
互いをきちんと認めあった上での
スキンシップ・コミュニケーションというのは、
若々しくいる上でとても大事ですよね。



渡部 そう。男が男でいられる。
女が女でいられるというのは大事。
でも残念なのは、
日本にはサルサをやる男性が少ないこと。
初心者用にサルサの催しを企画しても、
男女の数のバランスがとれないことが
多いんですよね。



残間 日本の男たちはシャイなので
大変だと思いますが、これからも頑張ってください。
サルサが日本に広まれば、
日本の大人がもっと元気になる気がします。
最後に今後の目標があったら聞かせてください。



渡部 広島・長崎にオリンピックを誘致して、
その閉会式でサルサを踊ることですね。
今、いろいろと働き掛けています。
僕がどうしてこれに熱心かというと、
84年のロス五輪の時に
閉会式でヒップホップが取り上げられて、
それを期に社会的に認知されたという
事実があるんですね。
それまでストリートの不良たちの音楽と
思われていたヒップホップが、
一気に市民権を得ました。
僕はこれをサルサにも起こしてみたいと
思ってるんです。

(おわり/2009年11月)