残間 来年の大河ドラマ(『江〜姫たちの戦国〜』)に
出演するそうですね。
秀吉の軍師・黒田官兵衛役。どちらかというと、
あまりついてない人生だった人ですよね。



自分の欲望は表に出さないタイプですよね。
でも関ヶ原の時は、自分の動き方次第では、
天下を獲れるチャンスがあった人でもありましたし。



残間 そうですよね。



でも今回は、お江さんや女性たちのお話ですから、
男は脇役なんですけどね。まあ一年間、頑張りますよ。



残間 楽しみにしています。
さて、今日は仕事の話はもちろんですが、
昔からやってらっしゃるボランティアやチャリティの話も
伺いたいと思います。よろしくお願いします。



よろしくお願いします。



残間 柴さんのことは、私はパーティなどで
お見かけすることが多いんですが、いつも印象的なのは、
みんなの輪から離れているような人を、
さりげなくフォローしてるでしょ。
いい人だなあと思って見てました。



(笑)そうなんですか。
芸能界の人間というのは、やっぱり"自分"を
突出させようという感じの人が多いんですけど、
僕は、それは仕事場だけでいいと思っているので。
ただ、こういう性格というのは、
この世界は向いてないんですよね。言われますもん。
「お前、どうしてもっと前に出てこないの?」って。




残間 柴さんって、芸能界入りのきっかけって何でしたっけ。
劇団からでした?



劇団じゃないですよ。
飲み代欲しさにモデルのバイトをやったのがきっかけです。
僕はそういうところに行くタイプじゃなかったですから。
でもモデルというのが、当時の僕にしてみれば、
あまりにも割のいいバイトだったんで。

ただ、モデルやってみて思ったのは、
現場よりもマネジメントの方をやってみたいな、
ということでしたね。



残間 へえ。それはパーティでの振るまいの話とつながりますね。



アンダーというか、裏方でやるのが本来好きなんです。
たぶん僕のやってるボランティア活動のことに
もつながってるんでしょうね。
「プロデュース」という部分が、すごく好きなんです。



残間 私も今そう思ってました。
だって、いつも全体のバランスを見ていますものね。
そういう性格は、仕事場でも出ちゃってるんじゃないですか。
でもアーティストとか役者って、
あまり全体を見てるとダメでしょ?



そこは僕の最大なる欠点ですね。役者としては。
今はある程度わきまえていますよ。
ここは少し、やりたいようにやってみようかとか。
それでも監督に言われますね。
全体のバランスを見ちゃダメだって。
そこは俺の仕事だって(笑)。



残間 芸能界だけでなく一般の世界でも、
アーティストタイプとプロデューサータイプって、
分かれると思うんですよ。
賑わいから離れてポツンとしている人を見ると、
つい「ねえねえ」と声をかけちゃう人。
賑わってるところから視線を外して眺めてる人。
弱い人に目が行く人って、プロデューサータイプですよね。



役者としてはあまり良くないんでしょうけど、
そうやって僕が声をかけたことって、
僕は忘れていても、かけられた方は、
何だかずっと覚えていてくれるみたいなんですよ。
たまにすごく感謝されることがあって、ある時から、
こういう事は大事にしようと思うようになりました。
それはボランティア活動する時でも同じで、
一番弱い部分、困っている人に眼をむけなきゃ、ということを
考えるようにしています。




(つづく)