2月21日(日)24時21分
朝、4時起床。
母に朝食用のお粥を作り、
次いで、昼食にお赤飯を炊き、
(お祝い事は無かったのだが、最近楽しいことも少なそうなので、
たまにはおこわもいいかと思い)
6時に、就寝中の母のところ手紙を添えてに持って行って、
6時半に家を出て、東京駅に向かった。
今日は「20世紀の皇室」インタビューの仕事で、
神戸・大阪日帰り出張なのである。
神戸は阪神淡路大震災の時に、
震災2週間後に天皇・皇后両陛下がお見舞いをなさった、
長田地区の住民代表の方にインタビューをさせていただくために、
京都では天皇陛下の「ハゼの研究」の共同研究者である、
京都大学教授にインタビューをさせていただいたのである。
新神戸駅で、
私が降りた新幹線に乗ろうとする落合恵子さんにお会いした。
「これからどちらに?」
「広島なの。あなたは?」
「神戸の長田地区に取材です」
ほんの十数秒の会話だったが、
10時半に神戸から下りの電車に乗る、
落合さんの清々しい笑顔に大いに励まされた。
震災から15年経った長田地区は、
町は新しい建物で彩られ再生されたかに見えるが、
それは表面的なことで、
時間が経つにつれてそれぞれが抱えている状況の差異が露になり、
災害発生時より人間関係は複雑になってもいるらしかった。
「災害当初は、一緒に震災に遭ったということで、
『みんな同じ目に遭ったんだ。一人じゃないんだ』
という連帯意識のようなものがが強くて、
それが生きる支えにもなったのですが、
落ち着いて来るに従って、
震災前には見えていなかった、
それぞれの家の経済事情や家族関係が見えてきて、
徐々に『同じじゃなかったんだ』という思いが、
出て来るようになったのです。
そこに今度は空いた土地に新しい住民が入ってきて、
前からいる人たちの『復興』への思いと、
地域に縛られないと思って新しい土地に来たのだから、
自治会活動などには入りたくないと言う人たちの間に、
温度差があって、
再生の為の町づくりがしにくくなっているのです。
空いた土地ですか?
ローン返済などで家を手放さざるを得なかった人たちが、
残していった土地に、
建て売り住宅用の造成地が出来たんですよ」
インタビューの目的は、
お見舞いの際の両陛下のご様子と、
突然のご訪問に住民のみなさんが、
どう思われたかを伺うというものだったで、
中でも、お見舞いの際に美智子さまが持参なさった、
皇居の庭からご自分で手折られた17本の水仙の花、
(震災の日が1月17日だったことかららしい)
にまつわるエピソードを伺いたかったのだが、
話はなかなかそこまで行かないのだった。
私は現地視察団として、
震災発生から1週間後に大阪港から船で神戸入りをして、
あの時の凄まじさを見ているだけに、
一番被害が大きいと言われた長田のみなさんが、
今改めてあの時のことをどう受け止めているのかについて、
おっしゃりたいだけのお話を伺うのは当然のことだと思い、
じっと耳を傾けるしか出来ないのだった。
結果、住民代表の方はとてもいいお話をして下さり、
お昼過ぎに長田をあとにして、
新幹線で京都に入った。
陛下の共同研究者の中坊徹次教授は私と同学年。
お話は難解かつ荘厳な内容だったのだが、
同じ世代の気安さもあって(私が勝手にそう思っただけだが)
すぐに打ち解けた。(と、私は感じたのだが)
研究のお話に入る前に、
中坊先生は京都大学総合博物館の教授でもあるので、
目下博物館で開催中の「イザベラ・バード旅の世界」という、
展覧会を案内して下さった。
イゼベラ・ザードは、イギリスの旅行家で、
南米と南極を除いた世界各地を旅して歩いた女性だ。
私は、ザードが旅行記の中に、
日光付近に滞在して温泉に入り、
日本の温泉施設が如何に清潔かを記していたり、
日本は女が自由に歩いても危険のない安全な国だと、
書いたことくらいしか知らなかったのだが、
この展覧会では、中坊教授の同僚の金坂清則教授が、
20年をかけて、ザードの足跡を辿り、
ザードが記した(あるいは写真に撮った)同じ場所を、
撮影して歩いた写真が同時展覧されていて、
とても面白かった。
この他にも「お土居展」や、
石棺や埴輪の展示などを案内していただき、
そのあとじっくり陛下の「ハゼ研究」についてのお話を伺った。
何故ハゼなのか。
ご研究テーマは誰が選んだのか。
ロンドン・リンネ協会の外国会員になられるなど、
ご業績は学会でも高く評価されているという、
ご研究内容はどんなものなのか。
どんな環境で、いつご研究をなさっていらっしゃるのか等々、
「素人目線」での質問をさせていただき、
魚の化身のような中坊教授の目をしばしば点にしたのだった。
(詳しくは、3月から小学館より発売される、
「皇室の20世紀」をお待ち下さい)
.........というわけで、
駆け足の関西出張旅行だったのだが、
新しい仕事仲間との旅は、
新鮮で楽しかった。
これから雑誌のエッセイを1本(400字で10枚)
インタビュー後記を1本書かなければならないのだが、
そろそろ脳が「午前0時のシンデレラ状態」になりそうだ。

















































あの阪神大震災も風化させては、いけないですね。皇室のインタビューのお仕事も、国民と皇室をつなぐ大切な本になるのですね。素敵なお仕事を、されていますね。