2/20(土)三枝オペラ「忠臣蔵 外伝」を観た。

icon_zamma.jpg2月20日(土)24時12分

明日、千秋楽を観ようと思っていた、
三枝成彰オペラ「忠臣蔵 外伝」が、
急遽、神戸・京都に出張が入って行けなくなったので、
今日午後の回を観に行った。

構想10年、初演が1997年だから、
13年も前の作品になるのだが、
それ以降も名古屋での再演や8年前の新国立劇場での再演と、
回を重ねるごとに新たな魅力が加わっていたので、
今回の上演もとても楽しみだった。

今回の「忠臣蔵」は玉木正之さんが構成をし、
演出は台本執筆をした島田雅彦さんが担当したのだが、
「外伝」と銘打ってあるだけに、
ストーリーもよりいっそう研ぎ澄まされ、
日比野克彦さんの美術や、
海藤春樹さんの照明が活かされた、
自由で美しいステージだった。

私は、華麗なるステージに目を奪われながらも、
仕事柄、バジェット(予算)が気になっていた。
キャストも豪華だし、
これだけのステージングなのだから、
さぞ沢山のお金がかかったことだろうと思ったのである。

さすが三枝さんだけあって、
三枝さんの才能と人柄に敬意を表して、
企業協賛もかなりついてはいるのだが、
三枝さん自らが公演パンフレットの中に書いているように、
「オペラの制作と上演には長い年月と沢山の資金が必要となります。
今の社会において、このようなことを、
個人で成し遂げようと企てるのは無謀なのかもしれません」
ということだから、今回の上演は、
前にも増して大変だったのではないかと思う。

三枝さんは日頃から鷹揚な人で、
自分が関係する作品には、
毎回友人たちを招待してくれるのだが、
今回に限っては、
去年の秋の終わり頃に三枝さんから、
「今回もご招待させていただきたいと思っていたのですが、
昨今の経済事情から上演が大変厳しいので、
是非ともみなさんのお力添えをいただきたい」という、
手紙が届いたのである。

これまで何年もの間、
三枝さんのご厚意に甘えていた身としては、
及ばずながらではあるが(大したことも出来ないので)
少しはお役に立ちたいと、
私も何枚かを買わせていただいたのだった。
帰宅して、パンフレットを読んでいたら、
律義な三枝さんらしく、
パンフレツトの巻末に「Special Thanks」と題して、
いつもの仲間たちとともに私の名前も掲載されていた。
(この間お会いした時に、
「僕も買わなきゃ」とおっしゃっていた、
田原総一朗さんの名前もあったし、
今日同じ回に来ていた林真理子さんの名前もあった)

娘さんと一緒に来ていた林さんとは、
休憩時間にバッタリ会って、
お茶をご馳走になったのだが、
顔がほっそりとし、身体もひと回り細くなっていた。
林さんと一緒にダイエットをしている三枝さんとも、
久しぶりに会ったのだが、
こちらは二回りか三回りも痩せていて、
「平凡パンチ」の表紙を飾っていた20代の頃の、
三枝さんに近い体型になっていて、
驚きもしたし、ちょっと心配にもなった。

「私はどうしてもお酒を飲むし、
それほどキチキチはやらないんだけど、
男の人ってやり始めるとストイックなまでに頑張るから、
あんなにうまくいくんでしょうね。でも、少し痩せ過ぎよね」と、
林さんも言っていたが、
仲間たちからも口々に「痩せましたねぇ」と言われていた。

終演後、佐藤しのぶさんに一目会おうと楽屋に行ったら、
指揮をしていた大友直人さんや照明の海藤さんにもお会い出来た。
みんな高揚感に満ちた素敵な顔をしていた。

最後に劇場の入り口に立って、
お客さん一人一人にお礼を言っている、
三枝さんの嬉しそうな顔を見たら、
涙が出てきた。

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プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。