2/19(金)母の涙。

icon_zamma.jpg2月19日(金)24時57分

我が母は、当年とって93歳。
あと1ヶ月も経たないうちに94歳になるのであるが、
別の部屋とはいえ、
同じ屋根の下に住んでいると、
「人が老いて行く」過程を見せつけられることが多く、
その都度考えさせられる。

今でも、
美容院、書店、花屋さん、スーパーには、
一人で歩いて出かけているし、
1週間に2、3冊の本(特に文庫本が好き)を読了し、
1日2紙の新聞(朝夕刊)に目を通してもいるので、
話をすればそれなりの論理をも展開するのであるが、
それでも「老い」は決して休止することなく、
日々確実に進行していることを実感させられる。

今年に入ってからは、
不意に加速度がついて、
毎日傍で「進行」につき合っている者をも、
驚かせる出来事が続いている。

耳が遠くなっているので、
どうしても大きな声で話すことになるのだが、
何かの拍子にはっきり聴こえる瞬間があるようで、
「そんなに大きな声を張り上げなくとも解るのに.........」と言って、
怒りをあらわにしながら、
やがてシクシクと泣き出したりするのである。

食べもののことは言いたくないのだが、
いくら果物好きとはいえ、
一度にみかん6個とバナナ2本を食べるのは、
胃腸に負担がかかり過ぎるのではないかと、
心配のあまり注意をすると(現によくお腹をこわすので)
「仁王立ちになって、私を責めなくてもいいのに.........」と、
しゃくり上げたりするのである。

その都度、私は驚き、
どうしていいものやら困惑するのだが、
少しの間、独りにしておくと、
(時々はお手伝いさんが機嫌をとってくれると、
またひとしきり「娘の冷酷さ」を訴えて,
号泣したりもするのであるが)
やがて落ち着きを取り戻し、
何事もなかったかのように穏やかになるのである。

無意識ながら、
自分の不如意に腹が立っているのかも知れないし、
いつのまにか、
感情のコントロール機能が麻痺してしまったのかもしれないが、
いずれにしても「前の母」ではないのである。

今朝もまた些細なことに端を発した、
「泣きじゃくり事件」があり、
なんとか収まって、家を出たのであるが、
22時半過ぎに家に帰ってきて、
エントランスに通じる道から母の部屋を見上げると、
母の部屋の明かりが点いていた。
「あゝ、元気にしているんだわ」と、
安堵しつつ帰宅すると、
またもや(多分、置いてあるとは思っていたのだが)
私の机の上に「里江子どの」と書かれた、
母からの封書が届いていた。

「今朝は私のことで、
心配や造作をかけてすみませんでした。
原因は別にないと思いますが、多分高齢のせいでしょう。
こうして段々老いを重ねてゆくのかも知れません。
でも、百歳まであと7年もあるのです。
7年しかないとも言えますが.........。
しっかりしなければと思います。
来月ずっと行きたいと思っていた、
金沢に連れて行ってくれるというので、
少し気負い過ぎているのかも知れません。
あなたの心配そうな様子を見て反省しました。
今後は自然体でいきましょう!
字が雑ですので、ご判読下さいね。
追伸)
銀行のそばにいたホームレスの男性。
生活保護を受けて第2の人生に進むことになり、
ホッとしました。千葉から出て来て、
14年間も外で暮らしていたということですが、まだ70歳の由。
私はあなたが思っているほど親しくはありませんでしたが、
私が持って行く和菓子をとても喜んでくれて、
穏やかないい人でした」

そういえば、その男性がこの数日姿を見かけないので、
私も気になっていたのである。
母がその人と親しそうに話をしていると、
守衛さんや管理人さんから聞いてはいたのだが、
母にそれとなく聞くと、
「私は親しくなんかしていません。顔を合わせれば、
会釈ぐらいはするけれど、口をきいたこともありません」と、
否定していたのだが、
ある時、その人の名前を言ったので、
少しは話をしているのだと想像はしていたのだが、
ここまで近しかったとは.........母らしいなと思った。

母も散歩の友がいなくなって、
淋しくなったのだろう。
今朝の母の涙は、
どこかでその人がいなくなったことと、
繋がっていたのかも知れない。

カテゴリ:

コメント(3)

お忙しい毎日、 ブログありがとうございます。 貴重なお時間でしょうから、単文にいたします。 母上様94歳に祝、食欲、ご心配でしょうが、召し上がれる内は…元気と思って下さい。 大変な事があると思ってます。 後始末は…そんな時に、母上様の時代は、食べ物が無く、自分が食べる事に罪悪感さえ、だった? だから今、その分召し上がられてと思ってあげて、 その年齢になりますと、あまり身に付かない?ようでした、ただ、下痢は…その内、 あなたでしょう! 着替えが大変です ご自分ではないと思ってますので、貴女様の母上様はしっかりしていられるご様子ですので、このような ご心配は無用かと存じましたが、 長い間経験した一人として。 残間様、ご自分にも、そんな時にご褒美を、あげて下さいね。 母上様が 静かに、過ごされますように、 ホームレスの方の件、微笑ましい光景と思ってます。

毎日楽しんで拝見してます。お母様の手紙はほんとに愉快でいじらしくて。耳の遠い方には男性的な低い声てゆっくり耳元で話すほうが良いです。大声だとかえって聞こえない場合が多いです。仕事柄、明治生まれの方から学ぶことがたくさんあります。94歳でお母様レベルの方は素晴らしいです!しんどいけど、楽しんでください。だんだん赤子に還り、ますますいじらしく愛らしくなりますよ。もちろん自分に体力があってのことですが。残間さんもご自愛くださいね。

毎日ブログ楽しみに見せてもらってます。残間さんのパワーにはいつも驚くばかりです。私の母も2月3日で101歳を迎えました。親の老いを見るのは辛いものがありますねー
気持ちの通じる娘が側にいてくれるのが何より心強い様ですので、お互いもうしばらく頑張りましょう。
今日、椎名誠さんの写真展に行って来ました。講演会にも入場させて頂きラッキーでした。300人程のお席も満席で、ユニークなお話を聞かせて頂き、最後は本にサインと握手までして頂き感激でした。寒いのでお身体お気をつけて下さい。

コメントを投稿する

      

フォトアルバム

2月9日(木)

photo_nikki
「テーブルウェア・フェスティバル2012」、東京ドームのアリーナ会場を見渡す。

photo_nikki
黒柳徹子さんの作品「ガラスの不思議」

photo_nikki
田川啓二さんの作品「Heavenly Beach」

photo_nikki
加藤タキさんの作品「新旧共生の間」

photo_nikki
故郷・大阪をテーマにした萬田久子さんの作品。

photo_nikki
大阪庶民の味、たこ焼きとお好み焼き。(合羽橋で買った食品サンプル)



2月5日(日)

photo_nikki
3時間ほど煮込んだ蕗。

photo_nikki
白菜漬けと糠漬け。

photo_nikki


photo_nikki
昭和の香りが漂う「乙女美容院」(鏡の中は母)



2月4日(土)

photo_nikki
「挨拶人形」を見るナカヤマ。

2月3日(金)

photo_nikki
「仙台の夕べ」にて。

photo_nikki
風評被害にも負けず。仙台の美味しい食材が並んでいた。

photo_nikki
サントリーホールの入口で出迎えてくれた、宮城県の観光PRキャラクター「むすび丸」

photo_nikki
深夜の「独り豆まき」



2月1日(水)

photo_nikki
青山の女性占い師。



1月30日(月)

photo_nikki
こんなに美しい富士山が、爆発の怖れ?



1月29日(日)

photo_nikki
銀座の歩行者天国で。ちょっと可哀そう・・・。



1月28日(土)

photo_nikki
椿山荘「オリオン2」で開催した、クラブ・ウィルビー創立三周年記念「ウィルビー新春の集い」

photo_nikki
初めにご挨拶をしてくださった、寺島実郎さん。

photo_nikki
夜の便でパリへ旅立つという、隈研吾さん。

photo_nikki
乾杯のご発声は、安藤優子さんと萬田久子さんのお二人に。

photo_nikki
浮き球△ベースボールの創設者でもある、椎名誠さん。

photo_nikki
メンバーと談笑する藤田宜永さん。



1月25日(水)

photo_nikki
今年で41回目の開催となった「フジサンケイグループ広告大賞」の審査会。

photo_nikki
審査委員の漫画家・弘兼憲史さんとクリエイティブディレクター・箭内道彦さん。



1月24日(火)

photo_nikki
本日発売されるファミリーマートの「おとなのおやつ」。“おとなコンビニ研究所”の商品割引券でお買い求め頂けます。

photo_nikki
初夏に新刊を出版される浅野史郎さん。この日は2時間立ったままで講演された。



1月19日(木)

photo_nikki
「第四回ウィルビーおとな塾」の講師、秋岡榮子さん。



1月16日(月)

photo_nikki
こんな葉書が届きます。表面。

photo_nikki
裏面。



1月15日(日)

photo_nikki
グラウンドに到着すると、丁度ナカヤマが打席に。

photo_nikki
真剣に練習に打ち込む「南青山ぼちぼち団」のメンバー。

photo_nikki
フジタさんが沖縄の伊江島で拾ってきた浮き球を手に持つアライさん。

photo_nikki
練習後、メンバー全員でグラウンド整備。

photo_nikki
自主練に参加したメンバーの皆さんと記念写真。



1月14日(土)

photo_nikki
東京・青山の片隅で、寒さに負けずに咲いていた水仙の花。

photo_nikki
毎年この季節お馴染の、石焼いものおじさん。



1月9日(月)

photo_nikki
「ご心配をおかけして申し訳ありません。左側を打ったのですが、大分よくなりました。今年は年女なので頑張ります!」(母より)



1月5日(木)

photo_nikki
石原プロモーションの「新春仕事始め寿ぎの儀」。

photo_nikki
新年の挨拶をするまき子夫人。



1月3日(火)

photo_nikki
赤坂見附の交差点には、白梅が咲いていた。



2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年9月
2011年8月
2011年7月
2011年6月
2011年5月
2011年4月
2011年3月
2011年2月
2011年1月
2010年12月
2010年11月
2010年10月
2010年9月
2010年8月
2010年7月
2010年6月
2010年5月
2010年4月
2010年3月
2010年2月
2010年1月

書籍情報

人と会うと明日が変わる

人と会うと明日が変わる  残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
イースト・プレス
【価格】
1,470円

引退モードの再生学

引退モードの再生学 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
新潮社
【価格】
500円

モグラ女の逆襲
~知られざる団塊女の本音~

モグラ女の逆襲 ~団塊女の知られざる本音~ 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
日本経済新聞出版社
【価格】
1,575円

それでいいのか 蕎麦打ち男

それでいいのか 蕎麦打ち男 残間里江子

【著者】
残間里江子
【出版社】
新潮社
【価格】
1,470円

プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。