1月31日(日)22時19分
2010年1月最後の日。
午前中、青山で打ち合わせが一件あり、
その後、シス・カンパニー企画・製作の、
「えれがんす」を観に、
新宿・紀伊国屋ホールに行った。
渡辺えりちゃんと木野花さんの息の合った演技は、
既に「名人芸」の域なのだが、
そこに絡む八嶋智人とコ・スヒがまた素晴らしいのである。
最近の八嶋の「人の好さの蔭に潜む屈折」のリアリズムは、
彼にしか演ずることが出来ないような気がする。
他の2人もなかなかの逸材で、
名脇役として各種の演劇賞を受賞している梅沢昌代と、
2005年にテレビドラマでデビューしたばかりの中村倫也も、
北村プロデューサーが選んでいるだけあって、
とてもいい芝居をしていた。
「働く女の栄枯盛衰」がテーマと言えばそうでもあるし、
「姉妹間の葛藤」がテーマと言えば、
それもテーマのような気もするのだが、
(オリンピックもうっすら横糸にはなっているのだが)
テーマやストーリーが稀薄と言うのでもないのだが、
正直言うと、それらを超えて、
6人の役者の演劇を想う気持ちが、
観ている私に乗り移って来たような感覚で観ていて、
それだけでも十分楽しめる作品だった。
えりちゃんと木野花さんは、
今は亡き如月小春さんとともに、
70年代「小劇場ブーム」の、
女の側の旗手だったということもあって、
(木野花さんは少し早めだったが.........。
男の側には、野田秀樹と鴻上尚史がいた)
3人の演劇のほとんど全てを観てきた私としては、
如月さんは急逝してしまったが、
今目の前で元気に頑張っている2人に対して、
「2人とも、劇団主宰という過酷な日々を経て、
よくここまで頑張ってきたよね」という、
同時代を生きてきた「同胞」に寄せる、
思い入れに近いものを感じていたのである。
多分.........だから、
2人の芝居に大笑いをしながら、
我知らず、
涙が流れたのだと思う。
今日の芝居は客席での演技が多く、
えりちゃんは、
2度ほど私の目の前を通り抜けて行ったのだが、
そばで見ると、以前より痩せたみたいで、
キレイになっていた。
最近は、電話で話すくらいで、
余りゆっくりとは話せないでいるのだが、
近々、どこかで話をしたいものだ。
そう言えば、
12歳下のご主人・土屋良太さんも、
2月22日からのこまつ座公演「シャンハイムーン」に、
(井上ひさし作・紀伊国屋サザンシアター)
大役で出演するというから、
それぞれが違うステージで活躍している、
「日常」の話も聞いてみたいと思う。
今日は、このまま帰宅して、
母と一緒に夕食をとろうと思っていたのだが、
昨日夜になって、
音楽プロデューサーをしている昔の友達から、
突然メールが入り、
「過日、ちょっと話した中国の女の子たちが、
レコーディングをしているので、
明日、芝公園のスタジオに来ていただけませんか?」と、
書かれてあった。
そう言えば、この間、
27、8年ぶりで会った時、
そんなことを言っていたなと思い出し、
忙しさにかまけて、
失念していたことを申し訳なく思って、
電話を入れると、
「ごめん、僕が悪いんだよ。
来日が具体的になったら連絡するって言っていたのに、
あれよあれよと時間が経ってしまって、
ついに今日になってしまったんだから.........。
実は明日が最終日なんだよ。
明日、少しでもいいからスタジオに来れないかなぁ」
と言うのである。
今日行かなければ、明日は離日するというので、
急ぎ、紀伊国屋ホールから直行した。
東京タワー前の録音スタジオ。
中国で「古典時尚」と呼ばれている女性演奏家集団から、
ピックアップされた7人のメンバーが、
日本デビューを前にレコーディングをしていたのである。
私が到着した時には、
予定されていたレコーディングは終了していたのだが、
せっかく来てくれたのだからと、
今日午前中にレコーディングした曲と、
6日前に録音した曲を再度演奏してくれた。
二胡等の中国の楽器も入ってはいるが、
現代音楽の要素が強い洗練された楽曲で、
テンポの速い曲もスローな曲も、
とても美しい音色だった。
日本での売り出し方はまだ決まっていないのだが、
中国では踊ったり、
フォーメーションを組んだりしながら、
演奏をするらしいのだが、
日本ではどうするのか、
目下検討中なのだと言う。
以前写真で見た時には、
メイクが濃く、
衣装もロック調の派手なものだったのだが、
目の前の7人は清楚で可愛いらしい、
20代の女性たちで、
出来れば日本の若い女性たちに聴いて欲しいという。
「是非、何らかの形で手伝ってよ」と、
旧友プロデューサーは言うのだが、
少なくとも彼女たちの人生がかかっていることなのだから、
生半可な気持ちで関わるわけにはいかない。
「私に何が出来るのか、じっくり考えてみるわ」
とだけ言って帰ってきた。
20代、30代は、
私も音楽制作に関わっていたので、
よくレコーディングスタジオに行っていたものだが、
最近はめったに行かなくなり、
スタジオに入ったのは何十年ぶりかである。
世の中の人がまだ知らない音に囲まれていることの醍醐味。
まだ芸名さえ決まっていない若きアーティストたち。
旧友プロデューサーには、
ちょっとつれない言い方をしたが、
ものが創られる瞬間に立ち合うって、
なんて素敵なのだろうと思いながら、
帰途に着いた。
それにしても、時間が足りないよなぁ.........。
今日はこれから、
明朝10時半からインタビューをする方の、
資料を読み返さなければならない。
一日が48時間、
いやせめて36時間あればいいのに.........。

















































残間さんこんばんは。
ホントに毎日やること、やりたいことてんこ盛りですね。
お体大事にしてくださいね。