1月23日(土)25時53分
今日の「どよう楽市」のスタジオゲストは、
今年還暦を迎える俳優・滝田栄さんだった。
滝田さんは、
30歳を過ぎた頃から八ケ岳に移り住み、
亡き母を想いながら仏像を彫り、
上京しては仕事をするという日々を送っている。
「最近、自分と等身大(185センチ)の仏像を彫ったばかり」と、
言っていたが、今や専門書も出すほどの腕前らしい。
50歳を過ぎた時、突如仕事が途切れたのを契機に、
2年間インドへ修業の旅に出て、
現地の修行僧と暮らすうちに、
己の欲望の所在を識るところとなり、
とてもラクになったのだという。
20年前からは途上国の子どもたちの、
教育環境を創るNGOの支援活動もしており、
還暦以降の日々は、
さらにこの運動を深めて行きたいと、
爽やかに語る姿に、
新しい「還暦像」を見た思いがした。
夕方からは、
20年ぐらい前に親しくしていた京都の友人が、
いつのまにか着物デザイナーになっていて、
京都府商工連合会主催の着物展を開催するというので、
時事通信ホールに行った。
「カジュアルなキモノでもない、
フォーマルなキモノでもない、
ソシアルなおしゃれなキモノ、
新しい日本のキモノスタイル」
と言うコピーそのままに、
モノトーンを基調に金糸・銀糸が織り込まれ、
シックで粋で斬新なデザインだった。
友人の今の名前は、大和夢之助。
「昔、残間さんが僕のことを『夢を見ている夢之助』って、
言ったんで、この名前にしたんですよ」と言うのだが、
そう言えば、彼は昔から着物の素晴らしさを、
しつこいくらいに説き、
さまざまな着物イベントをプロデュースしていた。
昔は呉服屋の若旦那風なヤサオトコだったのに、
今やすっかり恰幅がよくなり、
トランクを持たせたら「和装界の寅さん」といった趣の、
人の好いアラ還男になっていた。
この後、
近くのビアホールでパーティーがあるというのを失礼して、
銀座8丁目のクリエイションギャラリーG8」で開催中の、
〜丸(長友)三角(浅葉)四角(青葉)
いま、古希の神が舞い降りる〜
「○△□展 2010(長友啓典・浅葉克己・青葉益輝)」に行った。
「還暦からあっという間の10年目」
古希を迎えたばかりの3人のデザイナーの作品が、
年代を追って展示してあったのだが、
何となくは感じていたことだが、
60年代も、70年代も、80年代も、
3人のクリエイションは、
なんと自由で、瑞々しく、過激だったのだろうと、
改めて確認することが出来て、心躍った。
「平凡パンチ」の表紙も、
西武百貨店の「おいしい生活」や、
サントリーオールドのポスターも、
ハイクオリティで、尖っていて、
今見ても、とても新しいのである。
むしろ最近のデザインのほうが、
ソフィスティケートされてはいるが、
おとなしくて、保守的な感じがする。
たまに飛び跳ねているものもあるが、
大抵はこれ見よがしの若さをベースに、
解りやすい笑いと、
底が浅い批判が透けて見えて、
うら寒い気持ちになることが多い。
会場をゆっくり2周し、
3人の衰えぬ創造力をおすそ分けして貰った気分で、
渋谷に向かった。
「観なきゃ、観なきゃ」と思いながら、
時間がなくて、観られないままでいたら、
ほとんどの映画館で、昨日が最終日だった、
「沈まぬ太陽」が、
渋谷のシアターTSUTAYAでだけ、
29日まで上映していると聞いて、
行ってみたのである。
東急文化村の近くではあるのだが、
道の両脇にびっしり並ぶラブホテルに囲まれて建つシアターは、
コンクリート打ちっ放しで出来ているビルで、
1階は大勢の屈託ない若者たちの集まる場所となっていた。
辿り着いた時は、
既に館内は暗くなっていたので、
気がつかなかったのだが、
インターミッションの時に見たら、
(3時間半近い長い映画なので、途中10分間の休憩があるのだ)
若い人もいるにはいたが、
大半は50代、60代の観客だったので、
さぞかし来難かっただろうと感じた。
肝心の映画だが、
この程度の「苦労」をしても、
映画館で観てよかったと思う。
映画のタイトルロールの中ではもちろん、
裏表紙でまで、
「映画『沈まぬ太陽』は、
山崎豊子の作品をもとに映画化したフィクションです。
登場人物、団体は全て架空のものであり、
実在の人物、団体等とは関係がありません」と、
くどいくらいに謳ってあるのだが、
現存する航空会社と重ねて見ない人はいないだろう。
その意味では、原作者、出版社、映画会社の「果敢な仕事ぶり」に、
ここでもまた「ものづくり」の原点を見る思いがした。
高度成長期のエリートサラリーマンの姿をシンボリックに好演し、
いくつかの助演男優賞にも輝いた「悪役・三浦友和」が、
松雪泰子とラブシーンを演じている姿に、
友和さんの上を流れた「歳月」が感じられ、
映画の感動とは別種の感慨があった。
大和夢之助の夢と可能性。古希デザイナーたちの挑発。
表現のためには体制との闘いも厭わない映画人たち。
そして、何があっても私利私欲を捨てて、
職務(人としての「責務」といったほうがいいかもしれない)
を全うする「沈まぬ太陽」の主人公.........。
いろんな人の「クリエイション」を半日に凝縮して見て歩いて、
私は、まだまだ甘えているなと、
深く反省した。

















































残間親分が、なんかすべてをうまく受け入れていい感じ。
大和夢之助・ 古希デザイナー・ 映画人・「沈まぬ太陽」の主人公。
モノを創ることのせつなさと達成感に、思わず拍手。
めげてられない~。