11/21(土)幸福感に包まれて、東京から大阪・神戸へ。

icon_zamma.jpg11月21日(土)25時17分

9月まで我が社の社員だった、
マツモトさんの結婚披露宴に出席するために大阪に来た。
「どよう楽市」が終わって、急ぎ帰宅し、
出がけに朝、仕掛けておいた、
「栗入りのお赤飯」を母に持って行き、
慌ただしく東京駅に向かった。
(朝からお祝いモードになっていて、お赤飯を炊きたくなったのである)

車中では、来週開催予定の「新現役ネット」のシンポジウムで、
コーディネーターをやることになっているので、
せめて「論点整理」だけでもしておかなければと、
関連資料を読んでいた。

ナカヤマは「大人の休日倶楽部」の、
「60歳からの特権」を行使したいと、
品川から少し早めの「ひかり号」に乗車して、
6分早く大阪駅に着いていた。

改札口で待ち合わせたナカヤマは、
会場に着いてからの着替えだと、
開式に間に合わないので、
私同様、既にフォーマルウエアを着用していたのだが、
派手な女には慣れているはずの大阪でも、
ラメ入りロングスカートで、
キャリーバッグを引いている姿はかなり目立っていた。

「東北地方あたりから姪の結婚式に出るためにやって来た、
気のいいバーのママみたい。
その町ではちょっと先進的な生き方をしていて、
自分でもセンスは悪くないと思っていて、
町の商工会の初老店主たちの中ではベテランマドンナ的な存在」
と、私が言ったら、ナカヤマは嬉しそうに、
「あら、それって私の理想的なイメージだわ」
と言ってのけたのだった。(彼女の理想は「サロンの女主人」)

会場は、ホテル・リッツカールトン。
館内のそこここがクリスマス飾りで華やかな演出がなされ、
メルヘンとファンタジーが好きな、
マツモトさんにピッタリの空間となっていた。

「結婚披露宴」に出席するのだとばかり思っていたら、
開宴の前に司会者から、
「これより人前結婚式を執り行います」とのアナウンス。
何も聞いていなかった私は驚いたのだが、
考えてみればマツモトさんらしい挙式だと思った。

お父さんに腕をとらえたマツモトさんが、
花びらを撒きながら歩く、
可愛らしい少年と少女の先導で入場し、
ヴァージンロードをゆっくり歩いて来る姿を見ていたら、
わけもなくこみ上げるものがあった。

私より二つ年下だというお父さんは若々しくて、
「新郎」と言ってもおかしくない風情だった。
(「再婚」に見えるとは思うが......)
足がもつれ、時々新婦のドレスの裾を踏んだりりながら、
カチカチになって歩いていたのだが、
その胸中を思い遣ると、またまた涙がこぼれた。

少し前まではこういう場面に遭遇すると、
(無理があるのは承知でも)「新婦」に自分を重ねていたのに、
(「もう一度結婚するのも悪くないかなぁ......」などと)
最近は「親の目」でしか見られなくなっているのである。

父から新郎に引き継がれた新婦は、
はにかみながら新郎と並んで立ったのだが、
この時初めて正面を向いた新郎の顔を見たナカヤマは、
「うわっぁ、いい男ねぇ」と私の耳元で囁いたのだった。

まだマツモトさんが会社にいる頃、
「彼はどんな人なの?」と聞くと、
「普通の人です」としか答えないし、
ナカヤマが何度も「写真を見せて!」と迫っても、
ついに一度も見せてはくれなかったのだが、
韓流ドラマが好きなマツモトさんらしく、
新郎はまさに「韓流スター顔」だった。
ナカヤマは「私はイ・ビョンホンより新郎の方が好きだなぁ」
などと言っていたが、
二人が並ぶ姿はたしかにフォトジェニック(絵になっている)だった。

二人で誓詞を読み上げ、
指輪の交換をするだけのシンプルな挙式だったが、
二人の人柄そのままに清々しく、品のいい式だった。

来る時の新幹線で、私の前の席に、
数秒ごとに咳をしている5歳ぐらいの娘を連れた若夫婦がいた。
夫婦は、着ているもの、持っているものともセンスがよく、
品川から乗って来た時には、
「絵になる素敵な家族だな。マツモッチャンも、
こんな家族になるのかな」と思って見ていた。
(今日は、何を見てもマツモトさんとダブって見えるのである)

横浜を過ぎた頃から(つまり、数分後には)
夫婦はだらしなく眠りこけ、
幼い娘は絶えず咳き込みながら、
母親に与えられたゲーム器で一心不乱に遊んでいる光景を見て、
(周りの客は娘の咳があまりにも苦しそうなので、
気にしているんだが、夫婦は気づくことなく微動だにしないのである)
「まったく、表向きだけカッコよくても駄目夫婦じゃないの。
マツモッチャンなら絶対にこうはならないよな」と思った。

もう一組、通路を隔てた席には60代中盤ぐらいの夫婦がいて、
こちらは、適当に互いを思い遣りながら、
お弁当を食べたり、お喋りをしていたのだが、
その距離感が絶妙で、実にいい感じなのだった。

ここまで来る間、二人にもいろんなことがあったのだろうが、
それでも今、二人でいて、
こんな温かい空気を醸し出しているんだから、
今なお互いを認め、求め合って生きているのだろうと思った。
「マツモッチャンも、今は長年住み慣れた東京を離れて、
広島で新しい生活をするコトに不安を覚えているらしいけれど、
いつかこんな夫婦になれるのではないかしら」と思った。

式は9時近くにお開きとなり、
ホテルでスタッフと別れて、ナカヤマと二人で神戸に向かった。
明日は、神戸に住む高校時代の友達と会って、
来年の関西フォーラムのことで、willbeのヒアリングをする予定だ。


............爽やかな幸福感に満たされた一日ではあったが、
朝4時からずっと起きているので
さすがにくたびれて、
せっかく港が見えるホテルにいるというのに、
バーに行く気力もない。

ナカヤマは早くも、微動だにせず眠りこけている。
新幹線の中の若夫婦と違って、とても幸せそうな顔で......。

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コメント(2)

> もう一組、通路を隔てた席には60代中盤ぐらいの夫婦がいて、
> こちらは、適当に互いを思い遣りながら、
> お弁当を食べたり、お喋りをしていたのだが、
> その距離感が絶妙で、実にいい感じなのだった。
◆平成18年頃、東海道本線(浜松⇔熱海)普通列車の筋向かいのボックス席に座り、ずうーっと、一緒だった若いカップル、、、想像するに、関西方面から関ヶ原・浜松乗換えで仲良く東京に向う姿(恋人との逃避行の様な風景)に、かぐや姫の「神田川」の世界を見た!!!・・・実に、うらやましく感じられた。『この二人にも、幸多かれ!』・・・と願った。
◆平成16年頃、はるかにリッチな「神田川」を演じていた愚息が、11月22日の今日、磯子区役所へ婚姻届を提出した!と報告が、今宵は愚息とお嫁さんとの長編「神田川」に関わった部活のメンバーらで、祝宴とのこと。
(text end)


 面城生様

 いつもコメントを興味深く読ませていただいています。
 
 この場をお借りして、お祝い、もうしあげます。息子さ

 ん、おめでとうございます。

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プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。