9月16日(水)25時08分
今日は「気になっていたことをやる日」にしようと思い、
まずは森ミドリさんに電話をかけた。
3日ほど前のことになるが、
今週月曜日の21時から放送された、
向田邦子生誕80周年記念番組「母の贈物」のタイトルバックを観ていたら、
森さんが音楽を担当していて、それがとても良かったので、
一言「素敵でした」と言いたかったのである。
「母の贈物」は石井ふく子プロデューサー、
鴨下信一演出という「ドラマのTBS」を彷彿とさせる、
上質な番組だった。
我がオフィスと業務提携をしている萬田久子さんは、
邪気のない自由奔放な母親を、
「club willbe」のサポーティングメンバーである、
竹下景子さんは、堅物の母親を好演した。
もちろん向田作品であるから、
ひねったどんでん返しもあって、
久々楽しい大人のテレビドラマを観せて貰った。
森ミドリさんの「音楽」はチェレスタの演奏で、
「夕焼け小焼け」「スコットランドの釣鐘草」
「故郷の空」「オーラ・リー」の4曲が、
それぞれの場面に見事に溶け込んでいた。
懐かしいのに情緒過多ではないし、
知的なのに堅苦しさのない、
丁度いい湿度が保たれた音楽だった。
親しい大人の女たちが、
3人も関係している作品だったので、
録画をして、全部で3回も観た。
森さんの他、
気になっていた人、3人に電話をしたあと、
2年前「ユニバーサル技能五輪国際大会」の、
プロデューサーをやった際、
とてもお世話になった、
広告局のニシムラさんとランチをご一緒するため、
毎日新聞社に向かった。
お堀端の美しい秋を味わいながら、
タクシーに乗っていて、
突然あることが気になり出した。
調べてみると「予感的中!」
お財布を家に忘れてきたのである。
少し早めに出て来たとは言え、
ここから家まで引き返したのでは、遅刻は必至だ。
仕方ないので、会社まで戻ることにして、
内堀通りから新宿通りにターンして、
会社の下の通りでナカヤマからお金を貰って、
再び秋色のお堀端を抜けて毎日新聞社に向かった。
結局15分の遅刻となり、
多忙なニシムラさんには申し訳なかったが、
こういう「子供の失敗」のような、
単純なミスをすると、
「シマッタ!私ってホント、バカだな」という、
シンプルな反省心が湧き出てきて、
ちょっぴり気分が良くなるから不思議だ。
多分、独り善がりの、
過剰な重圧感から解放されるからなのだろうと思う。
ニシムラさんには「club willbe 」のこと、
「メンタルヘルスのポータルサイト」のことなど、
近況報告とパブリシティなどでの協力をお願いした。
「willbeには、読売(新聞)さんが、
随分協力をしているみたいだけど、
こんな時代ですからね、競合なんて言わないで、
一緒にやればいいんですよ。
僕のところも朝日(新聞)さんと、
一緒にやっているプロジェクトもあるんですよ。
今日から政治も変わるのだし、
僕らも新しい発想でいかなきゃいけないかもしれませんね」
確かにそうだ。
私も既存の枠組みに捕われず、
「新しい発想に立って歩みを進めよう」と心に期して、
美味しいベジタブルカレーをいただいた。
16時半、日本橋高島屋でのwillbeイベント、
「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」特別観賞会の会場に向かった。
募集から実施まであまり時間がなかったのだが、
高島屋さんの多大なるお力添えで、
展覧会場の目の前のカフェ「FAUCHON~PARIS」を、
貸し切りにしてくれて、
とてもいい雰囲気の中で終えることが出来た。
ワインを楽しみながらの(飲めない方はソフトドリンクで)
この展覧会の監修者である成城大学の千足伸行教授のレクチャーは、
世紀末のウィーンが、如何に豊かで、なまめかしく、
妖しい世界だったか、美が宿る時代とはどんな時代なのかなど、
世紀末芸術を観る時のバックグランドを埋めてくださるお話だった。
展覧会を観ていただいたあとは、
サラダ、サンドイッチなどの軽食をいただきながら、
数年前に蓼科に移住をして、
独り「ヴィーナス」を描き続けている、
画家の福山小夜さんをお迎えしてのトークだったのだが、
「芸術を志す人の孤独と愉悦」が感じられる話に、
しきりに頷いている女性が多かった。
今日の参加者は、男女比が3対7で、
人形を作っている人、絵を描いている人、画廊の女主人、
編集者、ダンス教師、静岡から来てくれた人、
クリムトが好きでウィーンまで出かけたと言う母娘等々、
いつもながら素敵な人たちばかりだった。
「私、話が苦手だからどうなるかと心配だったんだけど、
メンバーのみなさんの活き活きした表情を見ていて、
私も頑張ってヴィーナスを描き続けなきゃって、改めて思ったわ。
呼んでくれて、ありがとう」
ホテルまで送ると言う私に、
「そういうふうに送られるのはいやなの。
かえって淋しくなるから.........」と、言い残して、
福山さんはタクシーに乗り込んだ。
ものを創る女の強さと美しさにあふれた後ろ姿だった。

















































残間様 中山様
今回も貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。美術展には良く行きますが、その道の第一人者によるお話を聴いて、それから絵画を観たのは初めてで、さすがに見方も、見え方もまた違ったものになりました。会場に入りシーレの自画像を見てショック!正に夭折の天才がそこにいました。この絵はポスター、チラシ、チケットに使われ、なかなかインパクトがあり、いいなと思っていたのですが、印刷物は原画と比べると濃度がかなり強い。広告としては印象的なのですが、原画のニュアンスとは明らかに違うのです。印刷物として、あえて強めに仕上げたのか、企画した方に確かめたいと思いました。これから観に行かれる方は会場で原画と比較して観て下さい。その差に驚かれると思います。