7/11(土)「独り暮らし」の夢は、まだまだ叶わず。

icon_zamma.jpg7月11日(土)24時01分

私はせっかちな性格なので、
こうと思ったらすぐにそれが実現出来ないと、
イライラするというイプなのだが、
最近は「そうそう思い通りにはいかないのねぇ」
という諦めの境地に達し、
半分でも叶ったら「良し」としょうと思うまでになった。

「このくらいのことは叶うだろう」という思いは、
「他者」に対する期待と信頼の表われなのだが、
何だか、この国の人たち、
あるいはこの国のしくみは、
そんなに期待してはいけないところにまで、
来ているような気がするのである。

ところで、
何かをしたいと思ったら、
「カタチから入る」というのも一案で、
シチュエーションが整うと、
「その気」になる率も高くなり、
実現が早まるのである。
目下、久々の「独り暮らし」を堪能したいと思っている私は、
「アラ還世代における独り暮らしとは何か」を研究し(?)
基本コンセプトを「シンプルライフ」にして、
自分の棲息空間のカタチを変えようと思っているのである。


不用品は思い切って捨て、
どうしても捨てられないものはトランクルームに隠し、
当面の新規購入品は、照明器具とテレビだけにしたのである。

テレビは「地デジ」の宣伝戦略に乗りたくなかったので、
2011年の切り換えギリギリまで、
古いテレビのままでいようと思っていたのだが、
「独りになったら心置きなく映画を観たい」という誘惑には勝てず、
買い替えることにしたのである。
(これも「club willbe」のご協賛スポンサーの会社の製品です。念のため)

シンプルライフなのだから、
この先買うモノはダウンサイズしたものにしようと思っているのだが、
テレビだけは、前に持っていた機種よりひと回り大きなサイズにした。

「映画が観やすいから」というのもあるが、
これは、昔、女友達が言った「一言」とも関係しているのである。

ある時、女友達がなかなか離婚に応じてくれない夫に業を煮やして、
家を出て独り暮らしを始めたことがあったのだが、
一緒に身の回りのモノを買いに行った家電量販店で、
「淋しいと家に戻りたくなるかもしれないから、
一番先にテレビを買うわ」と言って購入したテレビが、
当時としてはかなり大きなサイズだったのである。

「まだ働き先も見つかっていないのだし、
もっと小さいのでいいんじゃないの?」と言う私に、
「前の家より小さいものや、安いものは買いたくないの。
それしか買えないというなら、いっそ無い方がいいの。
前よりレベルダウンしたものを買うと、
元の家に戻りたくなるような気がするのよ」
と、彼女は言ったのであるが、

たしかにその後、家を出た妻たちを見ていると、
前の家より地味なモノを揃えた女たちは、
全員が夫の元に戻ったのである。
これは「モノに引かれてと帰って行く」いうことではなく、
安い商品を買った時点で、
既に「今度の家は仮住まい」という感じが、
あったのではないかと思うのである。

今の私には「戻る」も「戻らない」もないのだが、
テレビ世代としては、
独りで過ごす時にテレビに救われることもあるような気がして、
ちょっと奮発したのである。

そこで、最初の話に戻るのだが、
テレビにしても、照明器具にしても、
ゴミ箱一つ買うにしても、
気に入ったモノが、
なかなか思うようには手に入らないのである。

テレビについても、
内心は「ほぼこの型にしよう」と決めていても、
勧め方次第ではもう一つ上のランクを買ってもいいかなと思いながら、
家電量販店に行き、売り場の人に「これとこれを比較すると、どこが違うのかしら」
というような質問をしたら、
「そんなに変わらないですよ。映画を観たり、音楽を聴きたいという人ならともかく、
普通には変わりませんよ」と、にべも無く言われたのだった。
「あなたの年齢では、高品質なものなど不要でしょう........」と言わんばかりに。
(「普通には」って、どういう意味よ!)

別の人を捕まえて、
「このシアターラックというのは、モニターのスピーカーと比べると、
どのくらいのボリューム増になるのかしら。
そう広い居間ではないので、隣りの人に迷惑がかかると困るので」
と、聞くと、「ホラ、このくらいですよ」と、
驚くほどの大音量で聴かせるのである。
(「ボルューム40」で聴く人なんていないだろう!)

とにかく「買わせたくなさそう」としか、思えないのである。
(エコポイントも、現場では「如何にも迷惑そう」で、
勇んで買いに行った人の気持ちを殺ぐ気がした)

結局、この日は買う気が萎んでしまい、
何も買わずに帰った。
それでも、こうしているといつまでたっても、
「理想の独り暮らし」が遠のく一方なので、
気を取り直して、翌々日再度出かけて、
3人目の店員さんで購入が成立したのである。

たまたまいつもと違う「動線」と「役割」で世の中を歩いてみたら、
(「仕事領域」から出て、肩書き無しの「一アラ還女」として出かけてみたら)
こういう場面に遭遇したのだが、
これがこの家電量販店に限ったことではなく、
あちこちで見受けられる現象で、
「なるほど、世の中はこうだったのか」と、
今更ながら、我が身の不明を恥じるばかりだった。

政治家も官僚も「一個人」として世の中に出て、
荒んだ日本を「実感」しないと、
せっかく作った施策も、
人々の気持ちと乖離していくばかりだろうと思った。

この分では、理想の「独り暮らし」を創る前に、
仕事とは別種の「疲労」で倒れてしまいそうだ。

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コメント(1)

> 何かをしたいと思ったら、「カタチから入る」というのも一案で、、、← 同感です。
一人の空間で、お香を焚き目を閉じれば、「絶対無限」の自由な空間が広がります。香が燃え尽きるまでの一時、世俗の喧騒を忘れ、改めて「自己の存在を問う」思惟を深く巡らすことが出来ます。更に、香立てだけでなく、その奥に小さな持念仏を安置し、脇に香合か香入れを飾ると、A3サイズ程の飾り棚が、仏教哲学的な雰囲気を楽しむ仮想空間に生まれ変わります。部屋の照明を落とし、しばらく心の開放感を味わって下さい。
【京都清水寺参道で買い求めた香立て】
  ※仏像の前の香立ては、もっとシンプルなモノです。
http://golog.nifty.com/archives/images/060210_okou/02.jpg
【地元、常滑焼の手のひらサイズの地蔵尊】
http://homepage1.nifty.com/menjou-tei/Bungu-kazari/jinen-butu[1].jpg
【京都三年坂で買い求めた鬼の香合】
http://homepage1.nifty.com/gudou-an/Tea/oni/oni.jpg
(text end)

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プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。