6/19(金)ユーミンについていこう!

icon_zamma.jpg6月19日(金)25時44分

今日は、過日検査をした、
「膵臓炎の疑い」がはっきりする日だったのだが、
NHKの打ち合わせを抜け出して病院に行ったところ、
金曜日の午後の病院は大混雑で、
順番がなかなか回って来ないのである。
1時間半程待った時、
病院でこんなことを聞くのは躊躇われたのだが、
「あとどのくらいかかるのか」を恐る恐る聞いたところ、
次のスケジユールに支障をきたしそうだったので、
診察キャンセルの手続きをして、
検査結果を聞くのは見送ることにした。

いつもなら何でも早く知りたがるのに、
とりわけ結果がバッドニュースかも知れない場合は、
一刻も早く知って、一刻も早く対応策を講ずるのが常なのに、
診察キャンセルなんて.........。
こんなことは今までやったことがなかったので、
「私、どこかで結果を聞くのが怖いと思っているのかしら」
という思いが一瞬頭を掠めたのだが、
もの凄く悪い結果なら、
医者のほうから何とか言って来てくれるだろうと、
ここだけ勝手に楽観的になって(して)
次なる仕事先に急いだのだった。

何とか次の仕事に間に合い、そこをもギリギリに飛び出して、
東京国際フォーラムで開催される、
「松任谷由実 コンサートツァー2009 TRANSIT」に行った。
このところ体育館など大型空間での、
スペクタクルなコンサートが続いていて、
フォーラムでのホールコンサートは4年ぶりということだから、
どんなステージになっているのか、
とても楽しみだった。

ロシアのサーカスと競演したり、
大量の水を使ってシンクロナイズド・スイミングを取り入れたり、
大仕掛けのショーもユーミンならではの醍醐味があるのだが、
最近ほろ苦さが加わったと評判の、
独特のアルトを近い距離で聴いてみたいと思ったのである。

東京公演初日というのもあってか、
歌い出しは自信なさげで、
まるで、デビューしたてのシンガーが、
一曲一曲、一音一音を、
外さないように丁寧に歌っている感じがして、
健気というか一途というか、
今まであまり観たことのないユーミンだった。

全体は3年ぶりのニューアルバム、
「そしてもう一度夢見るだろう」を下敷きにしているので、
「旅」を主題に構成されていたのだが、
旅を現実の旅としてだけ捉えているのではなく、
人生航路と重層させてもいるのだが、
過去と現在と未来をクールに交錯させているせいで、
どこまでいっても演歌的にならないあたりが、
ユーミンテイストなのだと思う。

私は、雑誌記者時代に、
ユーミンとギリシャに取材旅行に行っているのだが、
今夜、旅姿でステージに立つユーミンを見ながら、
青春そのものだったあの日から、
30年もの歳月が流れたのだと思うと感慨深かった。

ユーミンはサイトのライナーノートで、
「過去って、必ずしも古いだけじゃなくて、
自分次第で新しくもなるんですよね。
『これはもう一回やったことだから』と、
済んだことにしていたものを、もう一度呼び出すことで、
「新しい過去」を手に入れることが出来るんですよね。
だから、今度のアルバムでは、
青春ソングも追憶の歌として聴けるように留意しました。
等身大でありながら、ファンタジックでもあるという感じにね」
と語っているが、
これまで「青春の光と影」を歌って来たユーミンにとって、
この先、どこを新しい目的地にして、
どのように歩みを進めるかを考えた時、
そこに大きな葛藤があったことは想像に難くない。

過ぎゆく若さと格闘する姿は誰にも見せたくないものだが、
アーティストやクリエーターやパフォーマーは、
そこを通過する姿を見据えないことには、
次が始まらないのも事実なのである。

前回のアルバムから3年の間、
作家としても表現者としても、
ユーミンがもがいていたようなことを、
永年のパートナーである松任谷正隆氏も書いていたが、
時空は超越出来ても、
年齢が刻んだ身体性までは否定出来ないから、
「若さ」が大きなモチーフになっているアーティストにとって、
「経過した時間」を「追憶」の向こう側に持って行くという作業は、
過酷なことだと思う。

「昔なら似合っていたピンクレディが着たみたいなドレスが、
まったく似合わなくなってね。
斜めに切ってあった裾をまっすぐにしても、
丈を変えても、本当に似合わないの。
これは多分私が太ったからだと思うんだけど、
周りの人はみんなそれを言えなくて.........。
ツァー中は朝からトレーニングをしたり、
豆乳を飲んだり、修行僧みたいな生活だったのよ。
でも、このツァーで5キロは痩せると思うわよ」

ステージの後半で、
この半裸体に近いドレスを着て出て来たユーミンは、
たしかに体つきは丸みを帯びてはいたが、
自らの「現在」(いま)を潔く見せ切ることで、
何かを吹っ切ろうとしているように感じられた。

客との距離感がぐっと近づき、
カーテンコールのお辞儀の角度も以前より低頭で、
「都会の女の高慢さ」が魅力だった頃のユーミンとは、
かなり違ったイメージだったが、
ここさえ越えれば、
またそこには「新生・松任谷由実」が待ち受けているような気がした。

5年後のステージが私の新たな楽しみになった。

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コメント(1)

どよう楽市で話していましたね。陽水、みゆき、拓郎達のコンサートは必ず見に行き、どのように年を重ねているのか参考にしたい、と。
ユーミンの30年前のコンサートを、仕事の関係で舞台の袖から見たことがあります。
NHKテレビSONGSで、ある中学校を訪れて卒業写真を一緒に歌い、参列した卒業式で涙したユーミンに荒井由実時代を感じました。

40年、30年歌い続けている人生を私達ファンは、自分の人生に重ねています。青春の時の歌も、年を重ねて今、聴く歌も変わらず心に響いてきます。新曲も人生の深みや温かさが増して味わいがあると思います。
葛藤や格闘やもがきを乗り越えてきているのでしょうね。


先週流れた六文銭の 夏・二人で、は拓郎も歌っていますね。残間さん、ツアー初日名古屋の報告を、是非してくださいね。

ミエさんがBSの番組で、愛のフィナーレを歌っていました。
宮川さんのピアノだけで。情感たっぷりでとても素敵でした。


超多忙の残間さんに、ながら体操をお勧めします。
歯磨きの時やドライヤーで髪を乾かしながらスクワット。
ハーフで十分です。10回位から無理なくやってください。布団に入る直前に軽く腹筋も。起床時は軽いストレッチ。市民ランナー30年の私の横着体操。
日課にしてしまえば続きますよ。時間貧乏さんは、1時間・・・をやらなければならない、というのでは苦痛で、精神衛生にもマイナスになってしまいませんか。マットの上で眠くなったら寝てしまえばいいじゃないですか。優しくスポーツマッサージしてもらい少しでも寝てしまえば
疲れが取れてリフレッシュできますよ。

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プロフィール

残間 里江子【プロデューサー】

1950年仙台市生まれ。アナウンサー、編集者などを経て、企画制作会社を設立。 プロデューサーとして出版、映像、文化イベントなどを多数手がける。著書多数。