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第10回 脂肪肝

2016.09.16



50代は健康の曲がり角。体が大きく変わり始める頃です。
元気だと思っていた人も、以前のような健康管理は通用しません。
そして今や人生90年、100年という超高齢社会。
50代からの体のメンテナンスが、後々のシニアライフを左右します。
私たちのもっとも身近なお医者さん=ホームドクターの常喜眞理さんに
予防医学の視点から、健康管理の秘訣を語っていただきます。

☆常喜眞理さんプロフィール

☆このコーナーでは、常喜さんへのお便り・体に関する疑問を募集しています。
こちらまでmember@club-willbe.jpまで。


肝臓の肥満にもご注意を!



151023joki_karada_icon脂肪肝から肝臓ガンに移行するケースが増えています

加齢による体の変化のひとつに、基礎代謝量の減少というものがあります。基礎代謝量、すなわち生命を維持するのに必要なエネルギー量です。歳を取ると筋肉などが減り、若い頃ほどエネルギーを必要としなくなります。
効率が良くなったとも言えるのですが、ここで問題になるのが若いころからの食習慣。体は必要としていないのに同じように食べ続ければ、当然肥満になります。

皮下脂肪、内臓脂肪、血液中の中性脂肪など、さまざまな形で余剰エネルギーは蓄えられていくのですが、今回はそのひとつである「脂肪肝」についてお話ししたいと思います。これまでそれほど問題視されていなかった脂肪肝ですが、肝炎、肝硬変になりやすいだけでなく、近年は肝臓ガンに進行するケースが増えており、医療の現場でも注意が喚起されています。




151023joki_karada_icon中性脂肪が普通預金なら、脂肪肝は定期預金

まず脂肪肝になるメカニズムを簡単にご説明しましょう。
健康診断の血液検査の項目に、「中性脂肪」という項目があるのをご存知かと思います。この数値が高すぎると、動脈硬化や脳卒中、心筋症などの病気になる可能性が高まるので、注意を受けた方も多いのでは。

中性脂肪が血液中にあるのは、栄養が足りなくなった場合に備えて、すぐに使えるようにするため。しかしあまり使われず多くなりすぎると、余分な中性脂肪は肝臓に貯められることになります。これが脂肪肝です。
たとえるなら、中性脂肪が普通預金、脂肪肝は定期預金というイメージでしょうか。脂肪が肝臓全体の5%を超えると脂肪肝と言えます。

また脂肪肝は臓器の周りにつく内臓脂肪などと違い、肝臓の細胞の中に脂肪を蓄えるため、脂肪肝になった肝臓は白っぽくなっていきます。焼肉の白レバー。フランス料理でいうフォアグラ。これらと基本的に同じ状態です。
肝臓というとお酒、特に男性の問題というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。飲酒習慣がなくても脂肪肝になりますし、女性も閉経後はホルモンバランスの影響で脂肪肝になる方が増えます。



151023joki_karada_iconまずは食生活の改善。それも気長な取り組みが必要です

脂肪肝かどうかは、腹部超音波検査をしないとわかりません。人間ドックの基本項目のひとつですので、1年に一度は受けることをおすすめします。
特に血液検査の中性脂肪の数値が高い方や、肝機能のGPTが20以上の方。BMI25以上、あるいは男性で腹囲85cm、女性で90cm以上の方。20歳時に比べて7kg以上体重が増加している方は要注意です。

最後に対処法ですが、言うまでもなく食事の節制、肥満の解消が第一です。アルコールや糖分を控え、栄養バランスに気を配りつつ食事量を減らしましょう。炭水化物を摂らないなどの、極端な食べ方は避けてください。これに適度な運動が加われば、さらに効果的です。
さあ頑張りましょうと言いたいところですが、最後にもうひとつ。

先ほど中性脂肪を普通預金、脂肪肝を定期預金にたとえましたが、定期預金はおろしにくいのです。つまり落ちにくい。
脂肪を落ちやすい順番に言うと、1位が中性脂肪です。ひと月も入院すると劇的に改善されます(悪さができませんからね)。次が内臓脂肪。その次が、一度つくとなかなか落ちにくい皮下脂肪。そして皮下脂肪と同じくらいか、さらに落ちにくいのが脂肪肝の脂肪です。

中性脂肪の数値が改善され体重が落ちても、油断なく節制を続けてください。1年、2年かけてようやく効果があらわれることをお忘れなく。

(終わり)




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