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第4回 高血圧

2016.03.17



50代は健康の曲がり角。体が大きく変わり始める頃です。
元気だと思っていた人も、以前のような健康管理は通用しません。
そして今や人生90年、100年という超高齢社会。
50代からの体のメンテナンスが、後々のシニアライフを左右します。
私たちのもっとも身近なお医者さん=ホームドクターの常喜眞理さんに
予防医学の視点から、健康管理の秘訣を語っていただきます。

☆常喜眞理さんプロフィール

☆このコーナーでは、常喜さんへのお便り・体に関する疑問を募集しています。
こちらまでmember@club-willbe.jpまで。


高血圧を甘く見てはいけません



151023joki_karada_icon歳を取れば血圧は上がるもの

「血圧」という言葉、歳とともに身近になっていませんか? 
健康診断では血圧の値がまずチェックされますし、テレビをつければ血圧が下がるトクホのお茶のCM。「血圧が高くて」「降圧剤を飲み始めました」等々の会話もよく聞こえてくるのでは。
そこで今回は「血圧」についておさらいしてみましょう。

血液はまず心臓から大動脈を通って飛び出し、次にちょっと細い動脈に行き、さらに細い血管へと流れていきます。この最初に心臓から出る時が最高血圧になり、次に最低血圧となります。最低血圧は末端の細い血管の抵抗具合を示しています。この心臓の拍動は1日約10万回繰り返されます。
理想とされる血圧は上が100~135、下が60~85とされています。上が145以上、下が90以上になると要注意ですね。

最高血圧は年齢とともに上がっていくのですが、これは加齢により動脈が硬くなり、老廃物がたまって細くなっていくせいです。若い頃は「90/60の低血圧で」と言っていた人も、更年期くらいから確実に上がっていきます。
これは仕方がありません。私はいま52歳ですが、52年使った家電製品を思い浮かべてみてください。そりゃあ血管も多少はヨレてきますよね。

とはいえ、高すぎる血圧は放置できません。高血圧は脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などのリスクを確実に高めます。
そのためにはまず「減塩」。体内の塩分が高くなると水分で薄めようとするのですが、そのために血流量が増え、結果的に血圧を高めてしまうと言われています。

でも“塩”の害はこれだけではないのです。ここで鍵となるのが腎臓です。実は血圧と腎臓には密接な関係があります。




151023joki_karada_icon血圧だけでなく腎機能のチェックも重要です

腎臓はろ過機能など、さまざまな働きがあるのですが、そのひとつに水分と塩分のコントロールというのがあります。腎臓は食事からとった余分な塩分を水分と一緒に尿として排出する働きをもっています。
またレニンという酵素を分泌することで、血圧を一定に保つ働きもあります。

見方を変えれば高血圧というのは、腎臓の能力を超えて塩分を摂取している状態とも言えます。高血圧により腎臓に負担をかけ続けることで腎機能は低下し、それがまた血圧の上昇を招くという悪循環が生まれてしまいます。

腎臓の健康状態ですが、これは血液検査のクレアチニンという数値と性別、年齢である程度わかります。数値は市町村の一般健診でも測定している項目です。ネットのフリー計算サイトで簡単に計算することもできます。

腎臓の機能は遺伝も関わっていますが、やはり老化により低下していくものです。たとえ正常な血圧値であっても、全員が減塩を心がけるべきなのです。
血圧だけでなく、腎臓の血液検査の数値と両方に気をつけてください。




151023joki_karada_iconまずは減塩。そして減量もお忘れなく

でも塩って体に必要ですよね。どの位とればよいのでしょう。
なんと1日3gほど摂れば十分と言われており、外国で減塩食というと1日3gを目指します。

ところがこの数値は、日本人にはかなり難しいことになります。ヘルシーと言われる和定食一人前で7.5グラムもあるのです。麺好きの方も多いと思いますが、うどんやパスタ、そうめん、ラーメンなど白い麺は、麺そのものに1食約2gの塩分が入っています。汁を飲まなくても結構な塩分摂取となってしまいます。

おまけに日本人は舌が肥えているので、減塩食品は旨味を足さないとただの薄味となり、人気がありません。旨味を加えたものは値段が高くなり、これまた売れにくくなるという事情があります。
ちなみに「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では、成人男性で8g、女性で7g以内が目標とされていますが、世界的な目標値は男女とも1日6g以内です。

減塩メニューは物足りなくて長続きしないという方は、量には気をつけたいですが、手っ取り早く化学調味料で旨味を補うのも一つの方法。ちなみに味の素一振りの塩分は約0.3gです。
化学調味料に抵抗のある方がいるかもしれませんが、それで減塩メニューを続けられるのなら、使う価値はあると思います。そこを割り引いても、血圧を下げる努力はするべきでしょう。
もちろん余裕のある人には、「だしをたっぷり使う」「柑橘系の薬味で酸味や香りを効かせる」といった、正攻法もおすすめです。

そして「減塩」の他に、血圧を下げるには「減量」も有効です。
厚い皮下脂肪や内臓脂肪が血管を圧迫しているのはもちろんですが、肥満状態だと細胞の一つひとつが肥大していますので、代謝が増えているのですね。いっぱい食べて、いっぱい排泄することになります。ところが腎臓の大きさは変わりません。
よくマンションに例えるのですが、世帯数が増えているのに、ゴミ置場のスペースは同じままということは‥‥‥当然ゴミがあふれます。
減塩と適正体重を保つことが血圧を下げ、腎臓を守る基本です。

ただし、やせていて、お酒もタバコも吸わず、塩分も控えていても、血圧が高いという人はいます。
これは体質、遺伝なわけですが、そういう方は薬を飲んでいただくしかありません。でも、薬を飲んででも高すぎる血圧は下げるべきでしょうね。

歳を取れば血圧は上がるものですが、それを放置していいわけではありません。くれぐれもご自愛ください。

(第4回 終わり)



<参考サイト>
腎臓の働き(GFR)を推算
http://keisan.casio.jp/exec/system/1210728958



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