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第3回 不眠

2016.02.18



50代は健康の曲がり角。体が大きく変わり始める頃です。
元気だと思っていた人も、以前のような健康管理は通用しません。
そして今や人生90年、100年という超高齢社会。
50代からの体のメンテナンスが、後々のシニアライフを左右します。
私たちのもっとも身近なお医者さん=ホームドクターの常喜眞理さんに
予防医学の視点から、健康管理の秘訣を語っていただきます。

☆常喜眞理さんプロフィール

☆このコーナーでは、常喜さんへのお便り・体に関する疑問を募集しています。
こちらまでmember@club-willbe.jpまで。


不眠とどうつきあうか



151023joki_karada_icon加齢とともに睡眠時間が短くなるのは当たり前

前回は「筋トレのすすめ」をテーマにお話しましたが、運動とくれば次に必要なのは‥‥‥そうです。休養=睡眠です。体を動かした後は、しっかり休むことが大事ですね。

しかし中高年になると、どうしても睡眠の質も量も低下して、不眠を訴える人が少なくありません。これは“眠る体力”が加齢で落ちてきているためで、ある程度は仕方がありません。眠るにも体力がいるのです。

必要な睡眠時間というのは、10代からどんどん減っていきます。歳をとれば活動量も減りますし、基礎代謝も減りますから。
つまり見方を変えれば、「それほど眠らなくてもいい体になった」とも言えます。ここをしっかり認識して欲しいですね。
この連載で繰り返し言っていますが、若い頃とは体が変わっているのです。

「眠れない」と不満を感じる方に知って頂きたいのは、睡眠には個人差があるということ。眠りのパターンは人それぞれなのです。
「1日8時間は寝なくちゃいけない」とか、「若い頃には9時間、10時間眠れたのにおかしい」とか、他人や若い頃の物差しで判断すべきではありません。そういうネガティブな考え方から不満を募らせるのは、睡眠には逆効果です。

1日に4~5時間しか眠れなくても、それで社会生活に支障をきたしていないのなら問題ないわけです。30分以内の昼寝は健康に良いともいわれますので、眠くなったら、積極的に昼寝を取り入れていいと思います。



151023joki_karada_icon規則正しい起床時間の設定も大切

眠れなくて死んだ人はいません。要はあまり深刻に考えないことです。体力の低下が睡眠の質と量の低下につながっていると言いましたが、「不眠症」となると体力ではなく、むしろ心の問題です。

これは社会的なルールに縛られていることも大きいでしょうね。会社に行くために毎朝6時に起きなければいけないとか。
「今、午前3時だから、もう3時間しか寝られない。それなのにまだ寝付けない。明日は大事なプレゼンがあるのだから、ボンヤリした顔をしていられない。どうしよう!」というように、眠れないという焦燥感と、パフォーマンスの低下に対する予期不安が、不眠症のきっかけになることもあります。

ただ、起きる時間を決めることは、安定した睡眠を得るのに大切です。
人間の体内時間というのは、1日が24時間よりもちょっとだけ長いです。だから放っておくと、少しずつ後ろにズレます。かといって自然にまかせて、昼間寝て夜中じゅう起きているというのも、社会生活上うまくありません。
夜更かしが続いても、朝に決まった時間に起きることで、一定のところで疲れがたまって早く眠たくなります。こうして補正されるわけです。



151023joki_karada_icon眠れなくても、光の刺激は避けてリラックスする

眠くならないなら、眠くなるまでベッドに入ったままラジオを聞くのもいいと思います。体を横たえるだけでも休息にはなっていますから。
深夜ラジオのファンには中高年が多いです。NHKの『ラジオ深夜便』などは人気あります。あまりうるさくなく、気持ちを乱さない点でもなくならない番組のひとつじゃないでしょうか。

夜、一人で眠れずに起きていると不安になるという方がいらっしゃいます。みんなが寝ているはずの時間に、私だけが起きていると。
でもラジオをつけると、そんな人がいっぱいいることがわかります。ちょっと安心できるのではないでしょうか。

CDで落語を聞いてから寝るという方もいらっしゃいますね。毎日、寝る前に聞く落語を幾つか決めているそうです。新作よりも古典の方が健やかに眠れるとか、人によっていろいろ好みがあるようですよ(笑)。

加齢で体も変わるのですから、眠れないことにクヨクヨしない、無理に寝ようとしないというのは大切です。厚労省が出した「睡眠12箇条」にも「無理に寝ないでください」とあります。

でも気をつけて欲しいのは、眠れないからといって夜中になってもがんがんテレビをつけて、目からの刺激を受け続けていると、覚醒のスイッチが入ってしまいます。そうなると、とことん疲れるまで眠れなくなってしまいます。
睡眠と光の刺激というのは密接な関係があって、最近では不眠の原因に、夜中までスマホを使いつづけることが指摘されていますね。

眠れずとも部屋を暗くしてリラックスしているのが、結局は安定した睡眠への近道です。
睡眠の時間や深さにあまりこだわらず、刺激を避けて心と体を休めることを心がけてはいかがでしょうか。


(第三回 終わり)


  <健康づくりのための睡眠指針 2014 「睡眠 12 箇条」>

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。


※引用元:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014





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