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第1回 老化とは(後篇)

2015.10.23



今日から始めましょう。自分の体と生活を総点検!


“老い”とうまくつきあうために(後篇)



151023joki_karada_icon「三つの眼」で健康を管理する

クリニックでみなさんのお話をうかがっていると、「とにかく長生きしたい」というよりは、
「死ぬ日まで元気でいたい」と考えている人が多いようです。
そのためには、やはり大きな病気になる前の段階で、体の異変を察知することですね。
「医師の眼」「自分の眼」「仲間の眼」という3つの眼を持つことが必要です。

まずは「医師の眼」。
自分の体を医学的視点から、客観的に見なおしてみてください。

年に一度、最低でも地区検診、できれば人間ドックを受けるのをお勧めします。
ただ、これらは生活習慣病の検査が主になります。

プラスして、がんの検診も受けるとなお良いですね。
人間ドックのオプション検査としてがん検診を受けることができる医療機関は、
これから増えてくると思いますよ。

ご存知の通り、がんを患う方は年々増えています。
患者数が多いのは、上から大腸、胃、肺、乳房、前立腺、子宮頸がん、肝臓。
こういったがんを早期のうちに見つけるには、
がん検診での詳しい検査が必要になってくるんです。


151023joki_karada_iconがんの検査もやりすぎは禁物!

ここで気を付けていただきたいのは、
がん検診は何度も検査するから良いというわけではないこと。
たとえば、もっとも発生件数の多い大腸がんは、
毎年検査をするとむしろ体に負担をかけてしまうんです。

大腸がんの検査は便検査と内視鏡検査の2種類が代表的ですが、
便検査だけでは半分以上が見逃されてしまいます。

ですので、お腹にカメラを入れて検査する内視鏡検査を行うのですが、
大腸は、内壁が非常に薄いのです。イメージはまさに“腸詰め”のソーセージですね。

発生件数が多いことから検査をしたくなってしまう大腸がん検査ですが、
大腸がんは進行が遅いものが多いんです。
初めての大腸内視鏡検査で異常なし、
もしくは5mm以下のポリープ(切除対象になりません)だけと言われたら、
次回の検査は2−3年後で構いません。
2回目の検査でも同じ結果であれば、次は5年後に検査を受ければよいと思いますよ。

検査方法と検査の頻度を、がんの発生件数が多い順から考えていきましょう。

大腸は先ほどお話した通りですね。
胃がんは、内視鏡検査を1-2年に一回。
肺はCT検査を、これも1−2年に一回受けてください。

前立腺がんは、がんの中では唯一血液検査での早期発見が期待できます。
身体への負担も少ないため、最低1年に1回受けてほしいですね。

子宮頸がん・体部がん・卵巣がんについても地区検診(主に子宮頸がん検診)だけでは不安です。
経膣超音波検査を必ず受けて下さい。

肝臓がんは「腹部超音波検査」を毎年一回。
加えて、1-2年に一度腹部CT検査も行うとよりよいですね。

そして、近頃気にされる方も多い膵臓がん。ここは早期発見の難しい場所です。
検査をするなら、“MRCP”という膵臓・胆のう・胆管系を撮るのに適したMRI検査ですね。

さて、検査をした結果「要注意」とされる値が出ても、
すぐに対策をとらなければいけないというわけではありません。
というのも、数値の出方や意味合いというのは、
それぞれの臓器やその方の年齢、体質によって変わってくるからです。
「病気が発覚しそうなので検査は気が重い」という方も、
まずは相談がてら、検診を受けてみて下さい。

151023joki_karada_icon「何となく」食べるのは、やめにする

さて、何といっても自分の健康のことを一番に考えられるのは自分。
健康診断で自分の体調を把握したあとは、「自分の眼」で健康について考えていただきたいです。

特に気を付けていただきたいのは食事です。
実は、年をとってからの食事管理って意外に難しいです。

たとえば骨や筋肉の維持のためには、良質なタンパク質が欠かせません。
不足するのも考えものですが、一方、取りすぎてしまうと腎臓に負担をかけてしまいます。
それから、植物性タンパク質と動物性タンパク質もバランスを取らなければいけません。
たんぱく質を多く含む食品は肉や魚、卵、乳製品、大豆製品。気を付けないと、
加工食品や和食お惣菜は塩分の過剰摂取になってしまいます。

加えて、“もったいない”の世代は残すことに抵抗がありますし
「なんでもきちっと食べないと!」と考えている方が多くいらっしゃいます。
食べきることを目的にすると、必要以上に栄養を摂取してしまうことにもつながりかねません。

たんに「適度にタンパク質を摂取する」というだけでも、
ここまで考えることがあるのは、ちょっと滅入ってしまいますよね。

完璧に食事をとろうと意気込まず、
“何となく”食べるのをやめるだけでも、食生活はかなり変化してきますよ。

朝、何を食べてこういう栄養をとったから、夕食はこういう栄養を取るためにこれを食べてみる。
そんなことだけでもいいです。
考えたり、作ったりするのが大変な方は、
お弁当屋さんを上手に活用してみるのはどうでしょうか。
意外に栄養バランスを重視した商品が多いですよ。

食事に関しては、特に男性のほうが要注意かも。
今まで料理に気を遣ったことがなかったという方は、
ぜひこれからの食生活を見直してみてくださいね。

151023joki_karada_icon趣味と仲間が身体を活性化する

最後に「仲間の眼」。
「趣味と仲間」は、健康管理の上で思った以上に重要です。

50歳を超えてくると、心の健康度合いが外見の老化度合いに現れやすくなってきます。
やってみたいことがあって、それを応援してくれる仲間がいる人、
精神的に充実している人は、はつらつとして見た目も若いです。

たとえば、子育て終了以降のライフプランがあるかどうかは一つの大きな指標になります。
昔は子供を育て終わったら程なく寿命が尽きていましたから
「自分のやりたいこと」に考えは及ばなかったことでしょう。

今は、いくら晩婚化の時代とはいっても、遅くても60歳半ばくらいで子育てがひと段落します。
「子育てが終わったら、自分の存在意義って何だろう」と思っている人も、
そこから20年以上人生は続きます。
ぜひ、やってみたいことを見つけてください。

それから、趣味を一緒に続けていくための仲間。
職場以外で人間関係がないという方も、今のうちから対策を練っていくべきかもしれません。

そういえば、認知症を防ぐための「脳トレ」も、
上手く続ける秘訣は「1人でやらないこと」みたいです。
「脳トレ」で効果的だとされているのは、異なる作業を同時に行うことです。

たとえば散歩をしながら、数字の700から、693、686、679……と、
7ずつを引き算していく、などですね。
効果はある程度実証されていますが、毎日続けるのはなかなか大変です。

そこで介護施設などでは、脳トレを応援してくれるスタッフを配置して続けやすくしています。
同じ場所で計算を一緒にやってくれるスタッフがいれば、続けられそうですよね。

みなさんも、趣味ができたときはぜひ仲間を見つけてみてください。

近くに仲間が見つからなくても、
友人に電話をして「こんなことをやり始めた。今日もこんなことをした」と話したり、
ご近所さんとの立ち話の折にちょっと話してみるのもいいかもしれませんね。

自分のことを応援してくれる「仲間の眼」が、やりたいことを実現させるためには必要です。

さて、今回は「老化とは何か」「老化にはどんな対策をとればいいのか」という、
大枠のことについてお話しました。

自分の体調をよく知り、必然的に生じる体の老化を受け入れ、病には早めに対処する。
やりたいことを心に持ち実行しようと努力する。応援してくれる仲間を大事にする。
もっとも「老化」しないのは、実はこういう生き方なのかもしれません。

ぜひ皆様も、今日から「3つの眼」を持つための行動を始めてみてください。
(第1回終わり)





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