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月尾嘉男さん(東京大学名誉教授)

2017.12.27

月尾さん新刊『転換日本 地域創成の展望』

全国各地19ヶ所に私塾を設け、地域のリーダー育成を行うなど、地域創成に尽力してきた月尾さんの新刊が発表されました。

月尾さんは、工業国として欧米諸国に追いつこうとしてきた明治以降の150年間を反省する必要がある、と言います。

明治以降、日本では標準語教育に代表される画一化政策がすすめられてきました。工場での作業効率を上げることをその主要な目的の一つとしており、GDP3位の経済大国となった今の日本を見ると、これは成功だったと言えます。

しかし、現代は、工業よりも情報(ICT技術なども含む)が重要とみなされる情報社会です。そこで価値を持つのは、画一的な情報ではなく、他とは違う独自の情報です。地域創成にも同じことが言えます。この時代の地域創成の鍵の一つは、いかにして他とは異なった独自の“情報”を見つけ出すかにあります。

かつて、日本には、多様な経済・社会システム(共同体)が無数に存在していました。例えば、江戸時代、日本は270余りの藩に分割されており、それぞれに独自の文化や特産物(ex. 当時水稲2120種、現在300種)を有していました。
この多様性を可能にしたのは、各藩の強い独立性です。それぞれの藩が、独立国家に近く、経済的に幕府に頼らずに自立していたからこそ、独自の文化が育った(育たざるをえなかった)と言えます。

同様に、地域創成においても、独自性が求められる時代だからこそ、お役所頼みではなない、自立した取り組みが重要になると考えられます。
中央政府を見上げるのではなく、足元にある「地上の星」、すなわちその地域だけにしか存在し無い、隠された観光や産業の原石となるものを“自ら”見つけ出し、磨きをかけ、輝かせる作業です。
その原動力となるのは、決して補助金ではなく、「地域への情熱」であることを、月尾さんは強調しています。

“蘇生した人口一人の限界集落”(福井県勝山市小原集落)、“地域の女性が創業した地場産業”(静岡県「戸田塩の会」)など、本書には、まさにこのような「地上の星」を見つけ出し、磨き上げた16の事例が紹介されています。


月尾さん新刊『転換日本 地域創成の展望』 東京大学出版会(2017年12月15日発行)

【定価】
2400円+税

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