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みんな、気づいてる? 4/5

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vol.4 それでも声を出し続けることの意味


残間
波頭さんは、今日もそうですが、 政権批判などもはっきり言うんですけど、 経済評論や本業のコンサルティングの仕事に響かないんですか?

波頭
(笑)・・・。少しは。

残間
やっぱり。 でも、それはそれとして言っていかなければならないと?

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波頭
自由を拘束されたり、 体を傷つけられるような刃を突きつけられたら、 それで他人が屈したとしてもしょうがないと思います。 自分もそうするかもしれません。
ご飯が食べられないことにしても、 贅沢なレストランで食えなくても、 飢えたり病気になるリスクがない範囲では、 正義や真実の方が大事だと思ってます。 誰だって、どこかで踏み絵を踏まざるを得ない限界点はあるでしょうけどね。
でも今のところ、僕はまだ頑張れます。

残間
そんな風に、言えるうちはしっかり意見を言おう。 ダメなものにはダメだと言おうという人は、 波頭さんの周りにたくさんいますか?

波頭
たくさんとは言えませんが、いますよ。 ただし、僕と同じような意見を持っていても、 言うこととやることが違うという人はいます。 みんな背負っているものがありますからね。
でも、僕はそれを批判することはしません。 それをやると昔の連合赤軍みたいになってしまいますから。

残間
総括しろ! みたいになっちゃう。

波頭
そう。あれは不毛。 自分のできる範囲でやればいいと思います。
腹が立つのは、メディアとジャーナリスト。 いくら家族がいるからって、何のためにあなたの職業はあるのかと。 ジャーナリストは、正しいことを正しく報道するために 特権を持っているんです。腕章をつけたら、国会だろうが事件の現場だろうが、 どこでも入れる。 その特権を持ってメディアを独占しつつ、 政権のポチになるというのは、どういうことですかと言いたい。

残間
メディアの人たちも意識してそうしているのかしら。 それとも少しずつ‥‥

波頭
少しずつ洗脳されて、今は自分たちがやっていることが、 どれだけ真実と違うのかが、 もうわからなくなって来ているのかもしれませんね。 たった5年で。

アメリカはまだメディアが機能している
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残間
アメリカでは、予想を覆してトランプ政権が誕生しましたが。

波頭
巨大資本の献金。 それも表のきれいな献金じゃなくて、 ボランティア団体だったり財団経由で、 裏で流れて行ったものを含めた総献金額って、 共和党よりも民主党の方が多いんです。 クリントンの方が余計に既得権益側から金を取っているんです。
日本のメディアはそういうのを報道しないけど、 アメリカは市井の人がそれを知っているから、 トランプが勝った。

アメリカはコマーシャルだったり資本参加による支配で、 三大ネットワークでの報道を資本家や富裕層がコントロールすることはできても、 ネットや地方のコミュニティのメディアが強くて、 もう一つの真実が草の根的に出てきます。 つまり国民が全部知った上で投票するから、ああいう結果になる。
事前のアメリカのマスコミ関係者にアンケートを取ったら、 96%がクリントンが勝つって答えてました。 だけど市井の人は五分五分か、 むしろ55対45くらいでトランプ優勢でしたよね。
だから二つの正義と二つのリアリティが、 まだ社会的に日の目を見て、並存しているのに、 日本は完全に大本営発表で覆い尽くされてるんですね。

残間
お話を聞いていると、何とも、 手づまりな感じが否めませんが、何か活路はないんでしょうか。

波頭
特効薬はないです。 これは夢物語ですが、天譴(てんけん)の雷に打たれて、 メディア人が慚愧の涙を流して突然生まれ変わるか、 ビル・ゲイツなみの大金持ちが 一千億単位で日本のメディアをごっそり買い取るか。
いちおう公開してる株だから上手に買えば、 株でメディアを買うということが考えられますね。 天譴の雷よりは可能性があるかもしれません。
テレビ東京が株が下がっていた時で、 時価総額が300億円くらい。 100億買えば圧倒的な株主になれて、 役員を出す権利や重要事項の拒否権が手に入ります。

残間
どこかに奇特なお金持ちがいるといいんですが、 その金持ちがちゃんとしてなきゃいけないわけですよね。

波頭
日本はですね、 ハー(ため息)自分の得にならないことにお金を使う金持ちがあまりいないですよね。

最初にも言いましたが、 もうここまで来ると止まらないかもしれません。 癌だってステージ1か2で治せばいいけれど、 ステージ5まで来たら手の施しようがない。 僕はもう難しいと思い始めています。
もう行くところまで行って清算ですね。 ノアの洪水って、そのためにあるんだなって思います。 やっぱり人間って愚かなんですよね。

第二次大戦でガダルカナルで負けた後、 日本の政府関係者は、誰も本気で何とかなると思ってなかったです。 でも結局、原爆が落ちるまで止まりませんでしたよね。 それに近いことが今起きてるような気がします。
あの時、本当のことを言うと小突かれたり、 憲兵にしょっぴかれるというのはありましたが、 メディアも軍人も官僚も「ホントかな」と疑問に思いながらも、 半分は熱狂して突っ走ったじゃないですか。 その状態に近いんだと思います。 (つづく)

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vol.1 日本は国としての骨格を失った

vol.2 “格差の拡大”が国を崩壊させる

vol.3 シニアには期待できない。でも若者は‥‥

vol.4 それでも声を出し続けることの意味

vol.5 行きたかった所に行き、会いたかった人に会う

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