女子バレーボール日本代表としてロス五輪で活躍した三屋裕子さん。
長身を生かしたダイナミックな攻撃は、日本中を大いに沸かせました。
現役プレーヤーを引退した後は、スポーツに関する研究やビジネスの世界に身を転じ、
今はスポーツプロデューサーとして「健康づくり」をテーマに活動しています。
さて、筋金入りの"体育会系"である三屋さんのパソコンライフとは?
結論から言いますと…………相当な上級者でした!
───何でも三屋さんの事務所では、三屋さんご自身が一番のパソコン通だとか。パソコンとの出会いから聞かせていただけますか。
もともと機械は嫌いじゃないんですよ。機器の接続とか妙に好きなんですよね。パソコンというかコンピュータとの出会いは筑波大学の学生時代です。情報処理の授業で、6畳くらいある巨大なマシンを使いました。フォートランという言語を使うものでしたが、単純な一次関数を作るのに、半日かかってプログラミングしていました。手で書いた方が早いので、当時はコンピュータってバカだなあと思ってましたね。
───それは1980年頃の話ですよね。もうプログラミングをされていたんですか?
まだコンピュータは身近なものではなかったですが、筑波大学はこれからのスポーツ研究にコンピュータが欠かせないという読みがあったんでしょうね。その頃から授業に積極的に取り入れられていました。
ただ当時のコンピュータは力不足で、スポーツの動作分析をするのは難しかったですね。(※ちなみに三屋さんの筑波大学での卒業論文のテーマは「バレーボールにおけるブロックが試合に及ぼす影響」)今ならこのノートパソコンでもやれてしまうんでしょうけど。
それで現役引退後にまずワープロ専用機を使うようになり、それから32歳で筑波大学の大学院生になった時に初めてパソコンに出会いました。NECのPC98シリーズという機種で、当時は5インチフロッピーでしたね。それで起動する時には起動用のフロッピーが必要で、ソフトを使うにはそれ専用のフロッピーという風に、何枚もフロッピーを入れる必要があったんですよ。しかも、あのDOS言語というのを覚えないといけなかった。今はウインドウズですから楽ですよね。
───パソコンの進歩をリアルタイムで体験していたんですね。学生時代には「頭が悪い」と思っていたコンピュータですが、初めてその威力を感じたのは?
表計算です。入力した数字の合計などを自動的に計算してくれるわけですけど、何て便利なんだろうと思いました。最初は本当に合っているのか検算したくらいですから(笑)。
最近では講演やプレゼンテーションで、パワーポイントをよく使っています。発表の直前まで直せますし重宝しています。
───ネットの世界との出会いはどんなものでしたか。また、その時の印象は?
本格的な出会いは東大の月尾嘉男教授に「インターネットが日本を変える」という風に紹介されて。
最初はインターネットって、情報を探している人が、探している情報だけを取ってくるものだと思っていたんです。ところが実際に体験してみると、探していない情報も飛び込んでくるんですね。そこはそれまでのメディアにはないものでしたから、ちょっとした驚きがありました。
それからいろんな方と協力して、スポーツ関連のサイトを立ち上げたんですが、そこで気づいたんです。サイトの管理者には、どんな人がアクセスしているかだいたい分かってしまうんですね。情報を取りに行った側も、実は情報を取られている。その時にこれからは、ネットでのセキュリティや個人情報の扱いがとても重要になるだろうと思いましたね。
───90年代後半にそれを予感するなんて、かなり先を行っていますね。三屋さんはパソコンは相当の上級者とお見受けしますが、情報発信のツールとしてはいかがでしょう。ブログも長くやってらっしゃいますね。不特定多数への発信ということで、何か感じていることは?
私の場合、実名でやっていることもあって、ブログはたいへん緊張しながらやっています。ネットは、私の意図とは違う風に受け取られる危険が常にあるんですね。また、私にその気がなくても、誰かを傷つけたりはしていないかという不安は常にあります。人は見たい聞きたい情報しか頭に入りませんから、発言の一部が独り歩きすることもあります。今も"送信ボタン"を押すのには勇気がいります。ただ、そうやってブログを書いてきたことは、第三者の目で自分を見つめる訓練にもなったと思います。
もちろんブログをやっていて良かったことは他にもあります。ブログを書いて情報発信しているというのは、世間に対して窓を開いているということなんですね。私にコンタクトをとりたかった人が、気軽に飛び込んで来てくれます。
全く面識がなかったら、いきなり電話をかけるというのは敷居が高いですからね。

三屋さんはモバイル通信も日常的に利用されています。手際よくインターネットに接続する姿が印象的でした。
(インテル® Core™2 Duoプロセッサー
SU9400搭載)
───プライベートではどんな風にお使いですか。
最近はよく音楽をダウンロードしています。実は一時、仕事が忙しくてCD屋さんに行く時間がなくて、結果的に音楽をあまり聴かなくなっていたんです。でもダウンロードなら、ちょっとした時間にできますからね。おかげでまた音楽を聴くようになりました。ダウンロードですからCDは増えませんので、省スペースにもなっています。
───パソコンのおかげで音楽のある生活が戻ってきたんですね。
同じように、若い頃はよくCDやレコードを聴いていたのに、仕事や子育てに追われているうちに聴かなくなる方って多いんじゃないでしょうか。そうするとコンサートにも行かなくなり、いつの間にか音楽から遠ざかってしまうんですよね。
そういえば知り合いの同年代の男性が、「iPod買ったんだ」って自慢げに見せびらかせてました。それまで全然知らなかったんですが、実は若い頃からレッド・ツェッペリンが大好きだそうで、今は全曲をiPodに入れて持ち歩いているんですって。ちょっと微笑ましい話ですよね。私もiPodが欲しくなって、誕生日に友人に買ってもらいました。
─── どんな音楽を聞いてらっしゃるんですか?
最近はマドンナとかですね。私と同い年だけど頑張っているなあという感じで(笑)。
───パソコン上級者の三屋さんにお聞きしたいのですが、パソコン上達の秘訣って何でしょう。
まず触ってみること。今のパソコンは進化していて賢いですから、そんなに難しくないです。
実は私の父が70過ぎて病気になった時、パソコンをやってみなよと、使っていない古いマシンをあげたんです。写真好きだったのでデジタルカメラもあげたら、少しずつさわり始めました。
父は戦闘機の写真をコレクションしていたので、じきにこれをパソコンを取り込むにはどうするの? って聞いてきたんです。それはスキャナーだと。さらに、このデータを人に渡すには? CDに焼くのよ、という風に、少しずつ覚えていきましたね。
そうすると病気をしてからは閉じこもりがちだったんですが、外に出歩くようになりました。外出してデジカメで写真を撮って、それがすぐに見られるので楽しいみたいです。2年ぐらいかかりましたが上達するものです。
ある時、父が2〜3時間パソコンに向かっている姿を見かけたんですが、何か感慨深いものがありましたね。
こうやって、紙焼きの古い写真をスキャナーで電子データにしてパソコンに取り込むとか、アナログをデジタル化することだけでも面白いと思います。「花」「孫」「日記」「ゴルフ」など、自分のコレクションや好きなものをデジタルにして俯瞰するだけで、意外な発見があるはずです。ゴルフなんて自分のスイングをビデオに撮ってパソコンに取り込み、時系列で並べるだけでもすごく面白いと思います。
─── 最後にこんなパソコンがあったらいいのに、というものがあれば聞かせてください。
パソコンって使う時に、いつも機械に身体が接触していますよね。特にノートパソコンだと手の付け根の部分がくっつきます。ここにセンサーをつけて心拍数や血流量を計れるといいと思うんです。それで一定の時間毎に自動的に記録されるわけです。これっていいと思いませんか? 血圧計もUSB接続で記録して。健康管理に役立ちますよね。パソコンって日常的でとても身近なものだから、私のテーマである「健康」にも、もっと生かせると思うんです。
【クラブ・ウィルビー事務局からの追伸】
インテルをはじめとした企業グループが、体重計や血圧計、万歩計などの健康器具とPCとが簡単に接続してデータを交換できるような規格づくりをすすめています。規格の名前は「Continua」(コンティニュア)。パソコンで、もっと気軽に健康管理ができる日も近づいています。詳しい情報はこちら。まだ英語の情報のみです。
インテルは健康管理機能などが入っているソフト「Digital 手帳」も無料で提供しているので、ぜひ一度試してみてください。詳しくはこちらから。
(2009年11月)
撮影:永野雅子

